ニュース紹介
「RASがんの増殖シグナルを"遠隔操作"で遮断する新戦略 -RAFの『形』を変えて幅広いRASがんを抑える低分子化合物を開発-」
神戸大学大学院医学研究科の島扶美教授らの研究グループは、同理学研究科の田村厚夫准教授、同医学系研究科の青井貴之教授、理化学研究所環境資源科学研究センターの小山裕雄ユニットリーダー、同生命医科学研究センターの本間光貴チームディレクター、高輝度光科学研究センターの熊坂崇主席研究員らとの共同研究により、がんの増殖に関わるRASシグナルを新たな仕組みで阻害する低分子化合物を開発しました。
多くのがんではRASの異常により細胞増殖のシグナルが出続けます。開発された化合物はRASそのものではなく、RASから情報を受け取るRAFタンパク質の、RAS結合部位とは異なる部位に結合します。これによってRAFの構造が変化し、その影響がRASとの結合面に伝わることで、RASとRAFの結合が妨げられます。アロステリックと呼ばれる作用で、RASシグナルをいわば「遠隔操作」で遮断する新たな仕組みです。
約250万種類の化合物をコンピュータのアクティブラーニングで効率よく探索し、Kobe3708を見出しました。改良版のRK440・RK447はKRAS・NRAS・HRAS変異がんに加え、BRAF阻害薬に耐性を示す悪性黒色腫でも抗腫瘍効果を示しました。幅広いRAS関連がんや薬剤耐性がんへの新たな治療薬開発につながることが期待されます。
出典:神戸大学 2026年8月27日 プレスリリース
https://www.kobe-u.ac.jp/ja/news/article/20260827-68212/



