2026.08.30
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理化学研究所・順天堂大学
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元発表:2026.08.29
理化学研究所ら、ゴルジ体の脂質の並び替えが分解系を制御と解明
ニュース紹介
「ゴルジ体膜の脂質再編成が細胞内分解系を制御」
理化学研究所開拓研究所 佐甲細胞情報研究室の小林俊秀客員主管研究員、阿部充宏専任研究員、佐甲靖志主任研究員と、順天堂大学大学院薬学研究科の山地俊之教授らの国際共同研究グループは、細胞小器官であるゴルジ体の膜において脂質二重層が再編成されることで、リソソーム酵素の輸送とオートファジーが制御されることを明らかにしました。
本研究では、ゴルジ体、トランスゴルジネットワーク(TGN)およびエンドソームに存在する膜輸送因子GGA1が、細胞質側から作用し、通常はゴルジ体の内腔側にある膜脂質スフィンゴミエリンを脂質二重層の細胞質側へ移動させる「脂質スクランブリング」を誘導することを見いだしました。
この再編成により、リソソーム酵素受容体(マンノース6-リン酸受容体)の輸送が促進されるとともに、オートファゴソームとリソソームの融合が円滑に進行することを明らかにしています。細胞内小器官における脂質スクランブリングの生理機能を示した初めての報告です。本研究は科学雑誌『Science Advances』オンライン版に8月28日付で掲載されました。
出典:理化学研究所 2026年8月29日 プレスリリース
https://www.riken.jp/press/2026/20260829_1/index.html
FrontJournalの解説
この研究分野について
細胞をつくる生体膜は脂質二重層でできており、内側(細胞質側)と外側では脂質の組み合わせが大きく違います。この違いを脂質の非対称性と呼び、膜の安定性や細胞の働きを保つ基本的な性質とされてきました。
細胞の中には、物質を仕分けて送り出すゴルジ体や、不要になったものを分解するリソソームといった小器官があります。研究者が目指しているのは、これらの間で物が運ばれる仕組みを分子の単位で明らかにすることです。
①脂質の非対称性は細胞膜の話とされてきた
これまで膜脂質の非対称性は、主に細胞の外側を包む細胞膜の構造的・機能的な特徴として捉えられてきました。
細胞の内部にある小器官の膜でも同じことが起きているのか、それが何を制御しているのかは、生理的な意味を含めて分かっていませんでした。
②膜輸送因子が脂質を裏返して輸送を進めた
国際共同研究グループは、膜輸送因子GGA1が細胞質側から働きかけ、通常はゴルジ体の内腔側にあるスフィンゴミエリンを細胞質側へ移す脂質スクランブリングを起こすことを見いだしました。
この並び替えにより、リソソーム酵素の受け皿であるマンノース6-リン酸受容体の輸送が進み、オートファゴソームとリソソームの融合も円滑に進みました。細胞内小器官での生理機能を示した初めての報告です。
編集部からひとこと
脂質の並び方が変わること自体は知られていましたが、それが細胞の中で何を担っているかは示されていませんでした。今回は、並び替えが膜輸送とオートファジーという具体的な働きに結び付いています。リソソーム病や神経変性疾患のように、膜輸送や分解の異常を伴う病気の理解につながる可能性が示されています。
本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。
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