2026.07.20
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理化学研究所
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元発表:2026.07.15
脳腫瘍の遺伝子変異をMRI画像からAIで予測、専門医と精度を比較検証(FrontJournal解説)
ニュース紹介
「脳腫瘍の遺伝子変異を画像データからAIで予測 ―専門医等との比較により、AIによるIDH変異予測精度を検証―」
国立がん研究センター、理化学研究所、東海大学、旭川医科大学、株式会社ヒューマノーム研究所の研究グループは2026年7月15日、脳腫瘍の治療方針を決める指標となるIDH遺伝子変異の有無を、MRI画像から人工知能(AI)で予測する手法を開発したと発表しました。
研究には、国立がん研究センター研究所および理化学研究所革新知能統合研究センターの高橋慧上級研究員、同センターの浜本隆二分野長、国立がん研究センター中央病院脳脊髄腫瘍科の成田善孝科長、東海大学医学部脳神経外科の髙橋雅道教授、旭川医科大学脳神経外科学の木下学教授らが参加しました。従来は生検などの侵襲的な検査が必要だったIDH変異の判定について、AIの予測精度を専門医らと比較して検証したものです。成果は学術誌に掲載されました(DOI: 10.1038/s41746-026-02695-2)。
出典:理化学研究所 2026年7月15日 プレスリリース
https://www.riken.jp/press/2026/20260715_1/index.html
FrontJournalの解説
IDH遺伝子変異とは何か
脳にできる腫瘍のうち「神経膠腫(グリオーマ)」と呼ばれるタイプでは、IDHという遺伝子に変異があるかどうかが、腫瘍の分類・見通し・治療の効きやすさを判断する重要な指標とされています。つまり、治療方針を決めるうえで欠かせない情報です。ところが従来、この判定には手術や生検で組織を採取する必要がありました。患者にとって体の負担が大きいことが課題でした。
①MRI画像から「体を傷つけずに」判定する試み
今回の研究は、すでに撮影しているMRI画像をAIに解析させ、組織を採らずにIDH変異の有無を予測しようという取り組みです。実現すれば、患者の負担が小さい診断につながります。今回は精度を主張するだけでなく、専門医らの判断と比較して検証した点が特徴です。医師とAIのどちらがどれだけ当てられるかを並べて確かめる姿勢は、医療AIの評価として重要な進め方といえます。
②医療AIには「データの違い」という課題がある
医療AIには、学習に使ったデータと実際に使う現場のデータが異なると精度が落ちるという一般的な課題があります。撮影機器の設定や患者の背景が地域・施設によって違うためです。今回の発表が専門医との比較検証を掲げているのは、この課題に正面から向き合う姿勢の表れといえます。研究段階の成果であり、実際の診療に使われるまでには、さらに検証を重ねる必要があります。
編集部からひとこと
「AIが診断する」と聞くと万能のように響きますが、実際には医師と比べてどうか、別の病院のデータでも通用するかを地道に確かめる作業が欠かせません。今回の研究が専門医との比較検証を掲げている点は、医療AIを現場に届けるうえで誠実な進め方だと感じます。患者の負担が小さい診断につながるか、今後の検証の積み重ねが注目されます。
本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。
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