ニュース紹介
「特異な非平面形状を有する電子輸送材料を開発」
名古屋大学大学院工学研究科の福井識人准教授らの研究グループは、京都大学化学研究所の若宮淳志教授、中村智也准教授、梶弘典教授、京都大学大学院工学研究科の浦谷浩輝助教、東京都立大学大学院都市環境科学研究科の石割文崇准教授との共同で、「キラルX形」という特異な分子形状を有する電子輸送材料を開発しました。
電子輸送材料はさまざまな有機電子デバイスの基本的な構成要素です。特にペロブスカイト太陽電池では、溶液を塗って膜にできる電子輸送材料が必要で、現在はフラーレン系電子受容体が広く用いられています。しかしフラーレンは材料コストが高く、分子の設計性が限られることが課題でした。
本研究では、研究グループが独自に開発した8の字型π共役分子(CBBC)の変換によって新規材料を開発しました。複雑にねじれた分子形状を持つにもかかわらず、分子内結合開裂法という独自の合成技術により、高価な原料を用いずに簡便に合成できます。この材料を電子輸送層として含むペロブスカイト太陽電池素子は、フラーレン系材料から成る素子に匹敵する光電変換効率を示しました。さらに、片方のスピン状態を持つ電子だけを選択的に流すキラル誘起スピン選択性も、優れた選択率で示しています。本研究成果は2026年8月26日付で国際学術誌『Angewandte Chemie International Edition』に掲載されました。
出典:科学技術振興機構(JST) 2026年8月28日 プレスリリース
https://www.jst.go.jp/pr/announce/20260828-2/index.html


