2026.07.06 チューリング株式会社

完全自動運転のTuring、シリーズAエクステンションで126億円を調達(FrontJournal解説)

ニュース紹介

「Turing、シリーズAエクステンションラウンドにて126.2億円の資金調達を実施」

完全自動運転システムを開発するチューリング株式会社(東京都品川区、代表取締役CEO:山本一成)は2026年7月6日、シリーズAエクステンションラウンドで総額126.2億円を調達したと発表しました。これにより、2025年11月の第1次クローズと合わせたシリーズAラウンドの調達を完了したとしています。

今回の引受先には、半導体大手AMDのコーポレートベンチャー部門であるAMD Venturesや、三菱商事、GMOインターネット、BIPROGY、DataDirect Networks、Super Micro Computer、東京エレクトロン デバイスが名を連ね、三菱UFJ銀行からの融資枠も含みます。調達資金は、AIモデルを学習させる計算基盤の拡充、社会実装に向けた事業体制の構築、人材採用に充てるとしています。

出典:チューリング株式会社 2026年7月6日 プレスリリース
https://tur.ing/ja/news/20260706/

FrontJournalの解説

完全自動運転の「E2Eモデル」とは

自動運転には、カメラやセンサーで周囲を認識し、状況を判断し、ハンドルやブレーキを操作するという複数の工程があります。従来はこれらを個別のプログラムで組み上げてきましたが、Turingが開発するのは、カメラ映像を入力として認識・判断・車両制御を一つのAIモデルで一気通貫に担う「E2E(エンドツーエンド)」方式です。人間の運転のように、見て・考えて・操作する流れをまとめて学習させる考え方で、複雑な道路状況への柔軟な対応を目指しています。

①「フィジカル基盤モデル」への取り組み

Turingは、歩行者・標識・信号・路面の状態などを言語的に理解し、複雑な運転シーンに対応する「フィジカル基盤モデル」の開発を進めています。文章や画像を扱う大規模AIの技術を、現実世界で動く車の制御へ応用しようとするもので、大量の走行データと大規模な計算資源を必要とします。今回の調達で計算基盤を拡充する狙いは、この学習を支えるためです。

②半導体・商社が出資する背景

引受先にAMD Venturesや東京エレクトロン デバイス、Super Micro Computerといった半導体・計算基盤に関わる企業が加わった点が特徴です。高度なAIの学習には膨大な計算能力が欠かせず、その担い手である企業が自動運転スタートアップと結びついています。あわせて三菱商事などの事業会社も出資しており、自動運転技術を社会に広げていくうえでの事業連携の広がりがうかがえます。

編集部からひとこと

自動運転は、AIが現実世界で安全に動くことを求められる、難度の高い技術分野です。認識から制御までを一つのモデルで担うE2E方式や、言葉で状況を理解するフィジカル基盤モデルは、近年のAI技術の進展を車の運転へ応用しようとする試みといえます。半導体や商社を含む幅広い企業が出資に加わったことは、この分野への期待の大きさを映しています。国内発のスタートアップが完全自動運転の社会実装へどこまで歩みを進めるか、今後の展開が注目されます。

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