2026.06.19 株式会社ElevationSpace

宇宙輸送のElevationSpace、NX・パーソルなど事業会社から出資を受け入れ(FrontJournal解説)

ニュース紹介

「NXグループ、宇宙から地球への輸送サービスを開発する「ElevationSpace」に出資」

東北大学発の宇宙スタートアップ、株式会社ElevationSpace(宮城県仙台市、代表取締役CEO:小林稜平、2021年2月設立)が、事業会社からの出資受け入れを相次いで公表しました。物流大手のNIPPON EXPRESSホールディングス(NXグループ)は2026年6月11日に投資を実行し、人材サービスのパーソルホールディングスもベンチャー投資子会社を通じて出資しました。

ElevationSpaceは、微小重力環境での実験と地球への帰還を一体で提供する小型カプセル「ELS-R」や、高頻度の物資輸送に向けた「ELS-RS」の開発を進めており、2026年後半以降に再突入衛星「あおば」の打ち上げを予定しています。NXグループは宇宙から地球までの「ラストワンマイル」を含む一気通貫の宇宙物流モデルの構築を、パーソルは東北地域を含む新規雇用の創出を、それぞれ協業・支援の狙いとしています(出資額はいずれも非公表)。

出典:株式会社ElevationSpace 2026年6月19日 プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000158.000136897.html

FrontJournalの解説

宇宙から地球へ「持ち帰る」技術とは

ロケットや衛星で宇宙へモノを運ぶ技術は広く使われていますが、宇宙で実験・製造したものを安全に地球へ持ち帰る(再突入・回収)技術は、これまで機会が限られてきました。ElevationSpaceは、小型カプセルを使って微小重力での実験から地上での回収までを一体で提供しようとしています。宇宙で試した成果を素早く手元に取り戻せれば、創薬や材料開発などの研究開発を加速できると期待されています。

①事業会社が宇宙スタートアップに出資する背景

今回の特徴は、ベンチャーキャピタルだけでなく物流や人材といった事業会社が出資している点です。NXグループは、打ち上げ前後の輸送や地球帰還後の回収物の輸送・最終配送までをつなぐ「宇宙物流」への関心から協業を進めます。パーソルは、10〜20年後の雇用を牽引すると見込む成長領域として宇宙を位置づけ、採用支援を通じて事業成長を後押しするとしています。宇宙が、自社の本業と結びつく事業領域として捉えられ始めていることがうかがえます。

②世界的に広がる宇宙からの回収サービス

宇宙で実験・製造したものを地球に持ち帰るサービスは、世界的にも開発が活発です。米国では、微小重力で医薬品の結晶などを製造し再突入カプセルで回収する試みを重ねる企業が登場し、資金調達を進めています。国際宇宙ステーション(ISS)が2030年代の退役を見込むなか、高頻度で効率的に実験・回収できる民間のプラットフォームへの需要は今後高まるとみられ、ElevationSpaceもその一角を担おうとしています。

編集部からひとこと

宇宙輸送や再突入・回収は、宇宙をより身近で継続的に使えるインフラへと変えていく基盤技術です。ベンチャーキャピタルにとどまらず、物流や人材といった事業会社が出資に加わったことは、宇宙が実社会のビジネスと結びつき始めていることを示しています。再突入衛星「あおば」の打ち上げをはじめ、東北大発のスタートアップが宇宙物流の実現に向けてどこまで歩みを進めるか、今後の展開が注目されます。

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