2026.08.27 理化学研究所・宇都宮大学 元発表:2026.08.25

理化学研究所ら、EUV光源の変換効率を40%高める照射法を実証

ニュース紹介

「次世代2µm固体レーザー向け高効率EUV光発生法を実証」

理化学研究所光量子工学研究センター 未踏レーザー科学研究チームの高橋栄治チームディレクターと、宇都宮大学工学部基盤工学科の東口武史教授らの国際共同研究グループは、先端半導体を製造する露光装置の駆動レーザーとして期待される波長2マイクロメートルの固体レーザーを用いた極端紫外(EUV)光発生において、マルチレーザー照射法が有効であることを初めて実証しました。

現在のEUV露光装置では波長10.6マイクロメートルの炭酸ガスレーザーが用いられていますが、消費電力の大きさが課題となっており、電力効率に優れた2マイクロメートル固体レーザーへの置き換えが世界中で検討されています。一方で2マイクロメートル固体レーザーは、EUV露光装置が必要とする出力に達しておらず、レーザーエネルギーを抑えながら高い変換効率を実現する技術が求められていました。

今回、国際共同研究グループはマルチレーザー照射法を適用し、EUV光変換効率を2.6%から3.6%へ約40%向上させることに成功しました。本研究は、科学雑誌『Optics Letters』に8月24日付で掲載されました。

出典:理化学研究所 2026年8月25日 プレスリリース
https://www.riken.jp/press/2026/20260825_1/index.html

FrontJournalの解説

この研究分野について

先端半導体は、波長13.5ナノメートルの極端紫外光(EUV光)を使うEUV露光装置で製造されています。回路の模様を微細に刻むほど短い波長の光が要るためです。

この光は、大出力の炭酸ガスレーザーでスズのプラズマを作って発生させます。ただし装置1台あたりの消費電力が1メガワットを超えるため、電力効率に優れた2マイクロメートル固体レーザーへの置き換えが世界中で検討されています。研究者が目指しているのは、少ないエネルギーで強いEUV光を取り出すことです。

①固体レーザーは出力が足りていない

2マイクロメートル固体レーザーは電力効率に優れる一方、EUV露光装置が必要とする出力にはまだ達していません。回路をさらに微細にするには、より高出力のEUV光源が求められます。

そのため、レーザーのエネルギーを抑えながら高い変換効率を保つ技術が課題となっていました。1本のレーザーの出力を上げる方向だけでは、置き換えが進みにくい状況です。

②複数のレーザーを同時に当てて効率を上げた

国際共同研究グループは、複数のレーザーを同時に照射するマルチレーザー照射法を2マイクロメートル固体レーザーに適用しました。その結果、EUV光変換効率を2.6%から3.6%へ、約40%向上させています。

1本あたりのエネルギーを抑えつつ、複数のレーザーを組み合わせることで高い変換効率を保てることを示した形です。比較的低出力の固体レーザーを複数台束ねる道筋が見えたことになります。

編集部からひとこと

EUV露光装置は、生成AIスマートフォンを支える先端半導体の製造に欠かせない装置です。1台で1メガワットを超える電力を使うため、光源の効率は装置を並べる工場の運転費に直結します。1本の出力を上げるのではなく複数を束ねる考え方は、既存の固体レーザーのまま前に進める点で現実的です。

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本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。

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