2026.08.18 北海道大学 元発表:2026.08.18

北海道大学、金属イオン結合部位を予測する深層学習法を開発

ニュース紹介

「タンパク質の金属イオン結合部位を高精度・高速に予測する深層学習法を新規開発」

北海道大学大学院地球環境科学研究院の許仕傑博士研究員、小野田晃教授の研究グループは、金属タンパク質の金属イオン結合部位を予測する深層学習の新手法「PRIME(プライム)」を開発したと発表しました。金属タンパク質は全タンパク質のおよそ3分の1を占め、物質の変換や金属イオンの量を一定に保つはたらきなど、生命活動の根幹を担う機能を持ちます。従来法はアミノ酸配列と立体構造のどちらか一方の情報のみを使うため、予測精度・計算速度・予測できる金属イオンの種類の3点に課題があったとしています。PRIMEは、アミノ酸配列を扱うタンパク質言語モデルと、立体構造を扱う事前学習済みの構造モデルを統合し、両者を橋渡しする独自の「プローブ生成アルゴリズム」で結合部位の候補点を絞り込みます。その結果、亜鉛・鉄・銅などの遷移金属に加え、結合が弱く従来は予測が難しかったナトリウム・カリウムなどの非遷移金属を含む14種類の金属イオンで、従来法を上回る精度を達成したとしています。予測速度は1タンパク質鎖あたり約11秒です。クライオ電子顕微鏡などの実験から得られる構造やAlphaFold2の予測構造にも有効で、Webサーバーとして無償で公開されています。成果は2026年8月11日公開のNature Communications誌にオンライン掲載されました。

出典:北海道大学 2026年8月18日 プレスリリース
https://www.hokudai.ac.jp/news/2026/08/post-2409.html

FrontJournalの解説

この研究分野について

タンパク質のはたらきは、その立体構造と、そこに結合する分子で決まります。なかでも金属タンパク質は、亜鉛や鉄などの金属イオンを内部に抱え込むことで、物質を変換する触媒としての機能を担います。

金属がどのアミノ酸に結合しているかが分かれば、酵素の設計や、その働きを止める薬の設計に使えます。ただし実験で1つずつ調べるには時間がかかるため、配列や構造の情報から計算で予測する手法が求められてきました。

①配列と構造の両方を使う

従来の予測手法は、アミノ酸配列と立体構造のどちらか一方の情報だけを使うものでした。そのため、予測精度・計算速度・予測できる金属イオンの種類という3点に課題があったと説明されています。

PRIMEは、配列を扱うタンパク質言語モデルと、構造を扱う事前学習済みモデルを統合しました。両者を橋渡しするプローブ生成アルゴリズムで結合部位の候補点を絞り込む構成です。

②14種類の金属と約11秒という速度

対応する金属イオンは、亜鉛・鉄・銅などの遷移金属に加え、結合が弱く従来は予測が難しかったナトリウム・カリウムなどの非遷移金属を含む14種類です。従来法を上回る精度を達成したとしています。

予測速度は1タンパク質鎖あたり約11秒で、大規模なデータベースの一括解析にも使えます。AlphaFold2の予測構造にも有効で、Webサーバーとして無償公開されています。

編集部からひとこと

金属タンパク質は全タンパク質の3分の1を占めるとされ、対象の広い領域です。今回の手法は精度だけでなく、1タンパク質鎖あたり約11秒という速度を示している点が実務的です。無償のWebサーバーが公開されているため、自社の対象タンパク質で試したうえで導入を判断できます。

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本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。

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