ニュース紹介
「NK細胞とキラーT細胞の協調免疫機構の解明に成功―難治性腫瘍のための次世代のがんワクチンや免疫療法の設計に貢献―」
理化学研究所生命医科学研究センター免疫細胞治療研究チームの清水佳奈子上級研究員、藤井眞一郎チームディレクターらの研究グループは、NK細胞とキラーT細胞(CD8+T細胞)ががんの微小環境で時間的・空間的に連携する仕組みを明らかにした。ヒトパピローマウイルス(HPV)抗原を発現するマウス腫瘍モデルで、人工アジュバントベクター細胞(aAVC-HPV)を投与した結果、まずNK細胞が腫瘍辺縁に集まってケモカインCCL5を産生して免疫細胞の集合場所をつくり、続いてキラーT細胞が腫瘍の縁に浸潤・凝集して殺傷活性を高めることを、1細胞RNAシーケンスと空間トランスクリプトーム解析で観察した。CCR5-CCL5経路とCXCR3-CXCL9経路が自然免疫と獲得免疫の連携を仲介し、免疫学的に「冷たい」腫瘍を炎症性で治療に応答する状態に変えた。マウス12匹中7匹で腫瘍が完全に消失した。研究成果は米国科学誌Cancer Researchのオンライン版に日本時間2026年8月3日に掲載された(DOI:10.1158/0008-5472.CAN-25-4957)。
出典:理化学研究所 2026年8月3日 プレスリリース
https://www.riken.jp/press/2026/20260804_1/index.html


