2026.09.18 三菱電機株式会社 元発表:2026.09.17

三菱電機、量子コンピューター大規模化へレーザーと増幅器を開発

ニュース紹介

「量子コンピューターの大規模化に向けた研究開発を開始」

三菱電機株式会社は、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が公募した「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業(社会課題解決に向けた量子コンピュータ次世代機開発・実証の加速)」に、同社の2つのプロジェクトが実施予定先として採択されたと発表しました。1つ目は「多量子ビット制御レーザーシステムの研究開発」で、中性原子型・イオントラップ型の量子コンピューターの大規模化に向けた高出力・高安定なレーザーシステムを開発します。2つ目は「大規模超伝導量子コンピュータのための超小型多連低雑音増幅器モジュール開発」で、超伝導型量子コンピューターの大規模化に不可欠な極低温動作モジュールを開発します。国立研究開発法人産業技術総合研究所ほかと協力し、2030年代に見込まれる100万量子ビット級の量子コンピューターの実現に貢献することを目指します。

出典:三菱電機株式会社 2026年9月17日 プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000447.000120285.html

FrontJournalの解説

量子ビットを増やす難しさ

量子コンピューターは、情報の最小単位である「量子ビット」の数を増やすほど、より複雑な計算をこなせるようになります。ただし、量子ビットは外部からのわずかなノイズで状態が壊れやすく、数を増やすほど個々の量子ビットを精密に制御する装置の性能が要求されます。中性原子型イオントラップ型ではレーザーで原子・イオンを操作し、超伝導型では極低温環境で信号を読み書きするため、いずれの方式も専用のハードウェア開発が量子ビット数の拡大を左右します。

①制御用レーザーの高出力・高安定化

中性原子型イオントラップ型の量子コンピューターは、レーザー光を使って個々の原子やイオンを捕捉・操作します。量子ビット数が増えるほど、より多くの原子・イオンを同時かつ精密に制御するレーザー光が必要になり、出力と安定性の両立が課題になります。三菱電機は今回、大規模化に対応できる多量子ビット制御レーザーシステムを開発し、この制約を緩和することを目指します。

②極低温で動く小型増幅器

超伝導型の量子コンピューターは、絶対零度に近い極低温環境で動作します。量子ビットからの微弱な信号を読み出すには、この極低温環境の内部かそのすぐ近くで動作する増幅器が必要ですが、装置が大型だと極低温を保つ冷凍機の負荷が増え、大規模化の妨げになります。三菱電機が開発する超小型多連低雑音増幅器モジュールは、この省スペース・低発熱の両立を狙ったものです。

編集部からひとこと

今回の発表はNEDO事業への採択と研究開発の開始を知らせるもので、具体的な性能目標や完成時期への言及はありません。量子コンピューターは方式ごとに異なる制御技術が実用化のボトルネックになっており、大手電機メーカーが要素部品の開発に取り組む事例として注目されます。詳細は三菱電機の公式発表をご参照ください。

FrontJournal編集部

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本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。

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