市場課題|腎臓病の治療の選択肢

透析は機能を補うが回復しない
慢性腎臓病が進んで末期腎不全に至ると、腎機能は戻りにくく、透析か腎臓移植が必要です。日本では毎年約4万人が新たに透析へ入り、透析中の人は34万人以上で、その医療費は年間約1.6兆円とされます。透析は失われた働きを機械で補う方法で、腎機能を回復させる手立ては限られます。
動物実験ではヒトを再現しにくい
遺伝性の腎疾患では、動物実験の結果がヒトに当てはまりにくく、根治薬を見つけにくい状況です。患者数が最も多い常染色体顕性多発性嚢胞腎では、腎臓に嚢胞(液体のたまった袋)ができ、70歳までに約半数が末期腎不全に至るとされます。基礎研究はマウスやラットで数多く行われましたが、生物種で遺伝的な背景が異なるため、ヒトの細胞で効き方を確かめる場が必要です。
他にも、進行を遅らせるにとどまる薬物治療、患者ごとに異なる進行の速さ、移植用腎臓の不足、といった課題があるといわれています。
- 末期腎不全腎機能が大きく低下し、透析療法か腎臓移植がなければ生命を保てない状態。慢性腎臓病の最終段階。
- 常染色体顕性多発性嚢胞腎親から子へ受け継がれる遺伝性の腎疾患で、患者数が最も多い。腎臓に嚢胞ができ、腎機能が低下する。


