市場課題|腎臓病の治療の選択肢

透析は機能を補うが回復しない
慢性腎臓病が進んで末期腎不全(腎臓の働きがほとんど失われた状態)に至ると、腎機能は戻りにくく、透析か腎臓移植が必要です。日本透析医学会の調査では、2024年末の透析患者は33万7千人で、3年続けて減少したものの、高い水準が続きます。透析は失われた働きを機械で補う方法で、腎機能を回復させる手立ては限られます。
動物実験ではヒトを再現しにくい
遺伝性の腎疾患では、動物実験の結果がヒトに当てはまりにくく、根治薬を見つけにくい状況です。患者数が最も多い常染色体顕性多発性嚢胞腎(親から受け継ぐ遺伝子が原因で、腎臓に袋が増える病気)では、腎臓に嚢胞(液体のたまった袋)ができ、70歳までに約半数が末期腎不全に至るとされます。基礎研究はマウスやラットで数多く行われましたが、生物種で遺伝的な背景が異なるため、ヒトの細胞で効き方を確かめる場が必要です。
他にも、進行を遅らせるにとどまる薬物治療、患者ごとに異なる進行の速さ、移植用腎臓の不足、といった課題があるといわれています。






