ニュース紹介
「フェムト秒軟X線ハイパースペクトル顕微鏡を実現~1ショットで空間・エネルギー情報を同時取得~」
東京大学物性研究所の竹尾陽子助教、木村隆志准教授、東京大学先端科学技術研究センターの江川悟助教、理化学研究所放射光科学研究センターの矢橋牧名グループディレクターらによる研究グループは、X線自由電子レーザー(XFEL)の単一パルスを用いて、試料の各位置を透過した軟X線のスペクトルを同時に取得するフェムト秒軟X線ハイパースペクトル顕微鏡を開発したと発表しました。研究では、色収差のないWolter(ウォルター)ミラーで拡大した像を、417個の微小分光素子を集積したマルチ開口回折格子で多数の空間チャンネルに分け、2次元検出器上で一括分光しました。これにより、本来トレードオフの関係にある空間分解とエネルギー分解を兼ね備えた像を1ショットで得られるとしています。検証として行った兵庫県播磨科学公園都市のX線自由電子レーザー施設SACLAの軟X線ビームラインBL1での実験では、XFELビーム自体の空間的・ショットごとのスペクトル変動を可視化するとともに、単一パルスを用いた窒化ケイ素膜の分光イメージングを実証したとしています。研究グループは今後、高速かつ不均一に変化する材料・デバイス・生体試料の化学状態イメージングや、XFELパルスのビーム診断などの分析基盤としての展開を目指すと説明しています。成果は2026年8月20日(現地時間)発行の米国科学誌Opticaに掲載されました。
出典:科学技術振興機構(JST)・東京大学 2026年8月20日 プレスリリース
https://www.jst.go.jp/pr/announce/20260820-2/index.html



