2026.08.19
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理化学研究所ら
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元発表:2026.08.18
理化学研究所ら、シナプスのナノ構造から精神疾患の違いを検出
ニュース紹介
「シナプスのナノ構造から精神疾患の特徴を読み取る」
理化学研究所脳神経科学研究センター神経動態イメージング研究チームの岡部繁男チームディレクター、兵庫県立大学大学院情報科学研究科の郷康広教授、東京農業大学生命科学部の中澤敬信教授らの共同研究グループは、神経細胞同士がつながるシナプスのナノメートルレベルの構造を顕微鏡で検出し、精神疾患のリスク遺伝子に変異を持つマウスに応用することで、シナプスの形態が疾患分類に役立つ情報を持つことを示したと発表しました。研究では、ナノメートルレベルで形を見ることができる超解像顕微鏡を用いて多数のシナプスの形をイメージングし、集団としてのシナプスのナノスケールの変化を抽出しました。多数の精神疾患のリスク遺伝子の変異マウスを解析した結果、統合失調症と自閉スペクトラム症という、臨床的に区別される2つの疾患のリスクとなる遺伝子変異を持つマウスでは、それぞれ異なったシナプスのナノ構造の変化があることが分かったとしています。研究グループは、精神疾患における神経回路レベルでの病態の理解や創薬スクリーニングへの貢献が期待されると説明しています。成果は科学雑誌eLIFEオンライン版に8月11日付で掲載されました。
出典:理化学研究所 2026年8月18日 プレスリリース
https://www.riken.jp/press/2026/20260818_1/index.html
FrontJournalの解説
この研究分野について
神経細胞どうしがつながって情報をやりとりする場所をシナプスと呼びます。情報を受け取る側には、スパインという微小な突起ができます。
スパインの大きさは1マイクロメートル程度で、通常の光学顕微鏡では細かい構造を観察できませんでした。精神疾患は神経細胞が死ぬのではなく、神経回路の働き方が変わることで起こると考えられており、この微細な構造を捉える技術が課題になっていました。
①見えない大きさの構造を捉える
研究では、従来の光学顕微鏡より解像度が高い超解像顕微鏡を使いました。ナノメートル単位で形を観察できる装置です。
1個ずつ見るのではなく、多数のシナプスをまとめてイメージングし、集団としてのナノスケールの変化を抽出する方法をとっています。個体差の大きい生体試料から傾向を取り出すための設計です。
②2つの疾患で異なる変化が出た
この手法を、精神疾患のリスク遺伝子に変異を持つ多数のマウスに適用しました。その結果、統合失調症と自閉スペクトラム症という臨床的に区別される2つの疾患それぞれのリスク遺伝子変異を持つマウスで、異なるシナプスのナノ構造の変化があることが分かりました。
研究グループは、シナプスの形態が疾患の分類に役立つ情報を持つことを示したとしています。応用先として、神経回路レベルでの病態理解と創薬スクリーニングを挙げています。
編集部からひとこと
精神疾患は画像や血液の数値で切り分けにくい領域です。形態の違いが疾患ごとに出たという結果は、薬の候補を評価する際の指標になり得ます。マウスでの結果である点は前提として押さえる必要がありますが、創薬の初期段階でふるいにかける手段としての位置づけが見えてきます。
本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。
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