2026.07.23 NanoResonance株式会社 元発表:2026.07.22

神戸大発NanoResonance、シリコンナノ粒子の共鳴発色材「ResoFia」で量産化パイロット施設を開設(FrontJournal解説)

ニュース紹介

「神戸大学発スタートアップ NanoResonance、シリコンナノ粒子を用いた次世代フォトニックコーティング材料『ResoFia』の事業化を加速」

神戸大学発のディープテックスタートアップNanoResonance株式会社(本社:兵庫県神戸市、代表取締役CEO:亀田孝裕)は、シリコンナノ粒子の光共鳴現象を利用したフォトニックコーティング材料「ResoFia®」の事業化を推進していると発表しました。同社は2026年7月に兵庫県尼崎市に量産化パイロット施設を開設し、2026年8月からパイロット生産を開始する予定です。ResoFiaは神戸大学 杉本泰准教授の研究室で生まれた技術を基盤とし、JSTの大学発新産業創出プログラム「D-Global」に採択された総額約3億円規模のプロジェクトを起点として設立されたスタートアップです。さらに2026年には「D-Global SU直接支援」に採択され最大1億円の追加支援を、加えて新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「NEP躍進コースGX」にも採択され航空機向けの超軽量フォトニックコーティング開発に取り組んでいます。

出典:NanoResonance株式会社 プレスリリース(2026年7月22日)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000186700.html

FrontJournalの解説

構造色・光共鳴による発色材料の位置づけ

今回のテーマである「構造色」とは、色素や顔料の吸収ではなく、微細な構造で光を干渉・散乱させて色を作り出す現象で、モルフォ蝶の羽やタマムシの体色などが知られています。工業用途では、ナノスケールの規則構造をつくる必要があり、精密な微細加工や量産化のコストが実装のハードルとなってきました。ResoFiaは、規則構造ではなく真球シリコンナノ粒子1つ1つの光共鳴(Mie共鳴)を利用する点が特徴で、粒子径を制御することで色を決められると同社は説明しています。

①ResoFiaの原理と薄膜化の余地

ResoFiaは、真球度の高いシリコンナノ粒子の粒径を精密に制御することで、可視光域における光共鳴を利用した発色を実現する材料です。単一粒子の共鳴を利用するため、規則構造の形成や複雑な微細加工が不要で、塗料やインクなど従来顔料と同様の形態で扱いやすいことを特徴とうたっています。同社は、粒子ごとに光との相互作用が強いため従来の発色塗膜層を10分の1から100分の1程度まで薄膜化できる可能性があるとし、材料使用量の削減やCO₂排出削減、軽量化への貢献を挙げています。あわせて、酸化チタンなどの既存紫外線遮蔽剤と比べた紫外線遮蔽性能にも言及しており、発色と機能性の両立を狙う材料設計です。

②量産化パイロット施設と用途展開

NanoResonanceは2026年7月に兵庫県尼崎市に量産化パイロット施設を開設し、2026年8月からパイロット生産を始める計画です。これにより、量産プロセスの確立とサンプル供給体制の強化を進め、国内外の企業との用途開発を加速させたい狙いです。同社は現在、化粧品、航空宇宙・自動車向けコーティング、加飾フィルムなどの分野で国内外30社超と評価・共同開発を進めているとしています。NEDO「NEP躍進コースGX」では、ResoFiaを活用した航空機向け超軽量フォトニックコーティングの開発に取り組んでおり、塗膜の薄膜化による塗料重量低減が燃費改善やCO₂排出削減につながる技術として期待されるとされています。

編集部からひとこと

今回の発表は、量産化パイロット施設の開設とパイロット生産開始の予定という段階の話であり、具体的な受注件数や商用ロットの供給時期は現時点で示されていません。塗料・コーティング分野は既存の顔料材料が長年蓄積されてきた領域で、性能と量産コストの両立が実装のカギとなります。用途企業との共同開発の成果や、航空機コーティングでの実装検証の進み具合が、今後の判断材料になりそうです。詳細はNanoResonance公式サイトおよびPR TIMES掲載のプレスリリースをご参照ください。

プレスリリース原文を読む ↗

本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。

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