2026.09.05 UntroD Capital Japan 元発表:2026.09.02

UntroDと理化学研究所、人工冬眠を起こす化合物の探索を開始

ニュース紹介

「人類の未踏領域・「人工冬眠」の実現を目指し、UntroD Capital Japanが理化学研究所と共同研究を開始」

UntroD Capital Japan株式会社は、理化学研究所と「人工冬眠」の実現を目指す共同研究を開始したと発表しました。共同研究の期間は2026年4月24日から1年間です。

研究に参加するのは、理化学研究所生命機能科学研究センター冬眠生物学研究チームの砂川玄志郎チームディレクターと、筑波大学医学医療系の櫻井武教授です。両氏は2020年に、活性化すると冬眠に似た状態を引き起こす神経「Qニューロン」(Quiescence-inducing neurons:休眠誘導神経)の発見を発表しています。

今回の共同研究では、このQニューロンを活性化し、冬眠様状態を誘導する化合物の探索を行います。同社は、重症患者の搬送時における救命率の向上、臓器の長期保存、全身麻酔の安全化など、現在の医療が抱えるさまざまな課題の解決につながるとしています。事業化への道筋が見えてきた場合には、実用化を目指すベンチャーの立ち上げを支援する方針です。

出典:UntroD Capital Japan株式会社 2026年9月2日 プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000184.000036405.html

FrontJournalの解説

この研究分野について

クマリスは冬のあいだ代謝を大きく下げて眠り、少ないエネルギーで生き延びます。これが冬眠です。

人はこの状態になれませんが、同じことを人工的に起こせないかという研究が進んでいます。代謝が下がれば体が必要とする酸素も減るため、血流が止まっても臓器が傷みにくくなると考えられています。

①治療までの時間が生死を分ける

重い病気やけがでは、治療を始めるまでの時間が救命率を左右します。搬送に時間がかかるほど、臓器は酸素不足で傷んでいきます。

移植に使う臓器も、取り出してから移植までの保存時間が限られます。全身麻酔安全性を高めることも含め、いずれも「体の時間を遅らせられれば解決に近づく」課題です。

②休眠を起こす神経を薬で働かせる

手がかりは、2020年に発表された「Qニューロン」という神経です。ここを活性化すると、動物が冬眠に似た状態に入ることが分かっています。

今回の共同研究では、このQニューロンを働かせて冬眠様状態を誘導する化合物を探します。神経そのものを刺激する装置ではなく薬で起こせれば、救急の現場でも使いやすくなります。

編集部からひとこと

投資会社研究機関と直接組み、成果が出てから会社を立ち上げるという進め方です。技術が先にあって会社を探すのではなく、会社の側を後から作る形になります。人での実現までにはまだ長い道のりがありますが、救急搬送臓器の保存という出口がはっきりしている点は、研究を続ける力になります。

プレスリリース原文を読む ↗

本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。

この企業の方へ

内容に誤り・更新が必要な点があれば、可能な限り速やかに修正します。お気づきの点はお問い合わせまでご連絡ください。

掲載情報の修正・写真の追加・更新はこちら