FrontJournalの解説
この研究分野について
この研究は光科学・量子光学(光の性質を原子・量子のレベルで解き明かし、操る学問)の分野です。レーザーなどで光を狙った方向に進ませるには、通常「共振器」と呼ばれる鏡で光を閉じ込める装置が必要ですが、実験条件に制約が生まれます。研究者は、共振器を使わずに光の進む向き(伝搬モード)を操る、より自由度の高い方法を探っていました。
①光科学は通信・センサーを支える基盤領域
光を精密に制御する技術は、光通信・量子情報・センシングなど幅広い応用を支えます。共振器という装置の制約から解放される手法は、適用できる実験・デバイスの幅を広げる可能性があり、光科学の基礎研究として意義があります。
②「共振器フリー」で超蛍光の指向性を実現
研究グループは、フェムト秒レーザーパルスを分離・交差させた干渉縞をルビジウム原子に照射し、その間隔を制御することで超蛍光(多数の原子が足並みをそろえて一斉に強く光る現象)の指向性を顕著に現すことに成功しました。通常の気体に適用できる汎用性の高さも特徴です。
編集部からひとこと
超蛍光は、瞬間的に極めて強い光を生み出す現象として量子光学で注目されています。共振器なしでその指向性を制御できる手法は、量子光アンプなど次世代の光技術につながる基礎成果といえます。茨城大・青学による日本発の光科学研究の進展に注目しています。