2026.04.27 Qubitcore株式会社

OIST発Qubitcore、分散型の量子コンピュータでシード15.3億円を調達(FrontJournal解説)

ニュース紹介

「OIST発の量子コンピュータスタートアップQubitcore、シードラウンドで総額15.3億円を調達」

量子コンピュータを開発するQubitcore株式会社(神奈川県横浜市、代表取締役CEO:綿貫竜太、2024年7月設立)は、シードラウンドで総額15.3億円を調達したことを2026年4月27日に公表しました。リード投資家はSBIインベストメントで、Abies Ventures、ニッセイ・キャピタル、大和ハウスベンチャーズ、三菱UFJキャピタル、SMBCベンチャーキャピタルなど計12社が出資しています。

同社は、沖縄科学技術大学院大学(OIST)の高橋優樹准教授(QubitcoreのCSO)の研究成果をもとにしたスタートアップです。イオン(電気を帯びた原子)を用いる「イオントラップ方式」に、微小な光の共振器を組み合わせ、複数の量子処理装置(QPU)を光でつなぐ「分散型」の量子コンピュータを目指しています。2026年内にクラウド経由で使える試作機の稼働、2028年内に誤り耐性を備えた初期の量子コンピュータの公開を計画しています。

出典:Qubitcore株式会社 2026年4月27日 プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000166227.html

FrontJournalの解説

量子コンピュータとは

量子コンピュータは、従来のコンピュータとは異なる原理で計算を行う次世代の計算機です。特定の複雑な問題を高速に解ける可能性があり、創薬や材料開発、暗号などへの応用が期待されています。ただし、計算の基本単位である「量子ビット」は非常に繊細で、数を増やしながら安定して動かすことが難しいという課題があります。Qubitcoreは、大学の基礎研究をもとにこの課題に挑むスタートアップです。

①「イオントラップ+光接続」の分散型とは

Qubitcoreが用いる「イオントラップ方式」は、電気を帯びた原子を電磁場で捕まえて量子ビットとして使う方式で、計算の正確さに強みがあるとされます。同社はこれに微小な光の共振器を組み合わせ、複数の量子処理装置を光でつなぐ「分散型」の設計を掲げています。一つの装置に量子ビットを詰め込む限界を、装置どうしを光で結ぶことで超えようとする考え方です。

②OISTの基礎研究を事業へつなぐ

Qubitcoreは、OIST(沖縄科学技術大学院大学)の研究成果をもとに設立され、2025年にはOISTと独占的なライセンス契約を結んでいます。大学で積み重ねられた量子技術の基礎研究を、企業として実用化へつなげる取り組みです。2026年内の試作機稼働、2028年内の初期的な誤り耐性量子コンピュータの公開という段階的な計画を掲げており、研究と事業の橋渡しを進めています。

編集部からひとこと

量子コンピュータは、世界の企業や国家が開発を競う先端分野で、日本でも大学発のスタートアップが相次いで登場しています。装置を光でつなぐ分散型という設計思想で、単一装置の限界に挑むQubitcoreの取り組みは、基礎研究の厚みを生かした国内発の挑戦といえます。OISTの研究を土台に、実用的な量子コンピュータの実現へどこまで近づくか、今後の展開が注目されます。

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