2026.07.10 株式会社AlgaleX

AI培養の沖縄発AlgaleX、シリーズAで3.5億円を調達 食品残渣から「うま藻」を育てる(FrontJournal解説)

ニュース紹介

「株式会社AlgaleX、シリーズAで3.5億円を調達」

沖縄県うるま市の微細藻類スタートアップ、株式会社AlgaleX(2021年3月設立、代表取締役CEO:高田大地)は2026年7月10日、シリーズAで3.5億円を調達したと発表しました。補助金を含む累計調達額は約19億円になります。

引受先は、リード投資家の地域と人と未来CJS2号投資事業有限責任組合のほか、千葉道場ファンド、SMBCベンチャーキャピタル、Future Food Fund、ANA未来創造ファンド、拓南本社、琉球銀行などです。同社は、培養士の知見をAI化した独自の培養制御システム「Touji-24」を開発しており、調達資金をその開発強化、企業向けのオーダーメイド培養技術を提供するバイオファーム事業の展開、幹部候補人材の採用に充てるとしています。

出典:株式会社AlgaleX 2026年7月10日 プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000023.000076018.html

FrontJournalの解説

AIで微生物を育てる「バイオものづくり」とは

微細藻類や微生物を育てて、食品や素材の原料をつくる取り組みは「バイオものづくり」と呼ばれ、世界的に関心が高まっています。ただし、生き物を安定して大量に育てるには、温度や栄養などの環境を細かく管理する熟練の技術が必要です。AlgaleXは、こうした培養士の経験や勘をAIに学習させ、藻や微生物を最適な環境で制御する「Touji-24」を開発しています。人手に頼っていた繊細な作業を、データにもとづいて再現しようとする技術です。

①食品残渣を活用する循環型の仕組み

AlgaleXの特徴は、泡盛をつくる過程で出る泡盛粕などの食品残渣を培地(栄養源)として活用する点です。捨てられていたものを微生物の栄養に変えることで、資源を循環させながら生産する仕組みを目指しています。育てた微細藻類「うま藻」(オーランチオキトリウム)は、DHAなどの栄養やうま味成分を含むとされ、食品としての活用が進められています。今回の出資者にも、食や物流に関わる事業会社のファンドが加わっています。

②大学・研究の知見を事業へつなぐ

微細藻類の培養は、栄養や環境のわずかな違いで結果が変わるため、科学的な知見の蓄積が欠かせない分野です。AlgaleXは、そうした培養の技術を体系化し、他社向けにオーダーメイドで提供する「バイオファーム事業」も進めています。研究で培われた培養のノウハウを、食品にとどまらず幅広い産業へ広げていこうとする取り組みで、バイオものづくりを社会に実装する一例といえます。

編集部からひとこと

熟練の培養技術をAIで再現し、捨てられていた食品残渣から栄養豊富な微細藻類を育てる。AlgaleXの取り組みは、バイオとAI、そして資源循環を結びつけた事業の一例です。食や物流に関わる事業会社のファンドが出資に加わったことは、こうした技術が実社会のニーズと結びつき始めていることを示しています。沖縄発のスタートアップが、バイオものづくりをどこまで産業として根づかせていくか、今後の展開が注目されます。

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