2026.08.24
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理化学研究所ら
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元発表:2026.08.19
理化学研究所ら、脳が予想外の音を検知する神経回路を特定
ニュース紹介
「脳が予想外の音を的確に見つける仕組み」
理化学研究所脳神経科学研究センター神経動態イメージング研究チームの岡部繁男チームディレクター、東京大学大学院医学系研究科の水谷俊介特任研究員(研究当時)、同研究科精神医学分野の笠井清登教授、兵庫県立大学大学院情報科学研究科の郷康広教授らの共同研究グループは、脳が予想外の音を的確に見つけるための神経回路を大脳皮質の中に特定し、その仕組みが統合失調症のモデルマウスでは障害されていることを発見したと発表しました。研究では、マウスの大脳皮質の聴覚野の浅層に存在する神経細胞集団が強く結び付いたクラスターを形成し、予想外の音を増幅して脳内に誤差信号を生み出すことを明らかにしています。さらに、統合失調症のモデルマウスではこの神経細胞集団によるクラスター化が弱まり、遺伝子発現やシナプスの障害を伴うことを発見したとしています。発表では、同じ高さの音を繰り返し聞かせ、その中に時々違う高さの音を挟むと特異的な脳波が観察される現象がミスマッチ陰性電位と呼ばれ、統合失調症の患者ではこの反応が減弱していることが知られており、信頼性の高いバイオマーカーの一つであると説明されています。研究グループは、言葉によるコミュニケーションを支える脳機能の理解や、統合失調症などの精神疾患のバイオマーカーの開発、疾患の層別化への貢献が期待されるとしています。成果は科学雑誌Science Advancesオンライン版に8月14日付で掲載されました。
出典:理化学研究所 2026年8月19日 プレスリリース
https://www.riken.jp/press/2026/20260819_1/index.html
FrontJournalの解説
この研究分野について
雑踏の中でも名前を呼ばれれば気づく一方、作業中の音楽は次第に意識されなくなります。人には注意すべき音とそうでない音を区別する能力があります。
この働きを測る方法として、同じ高さの音を繰り返す中に時々違う音を混ぜ、そのときに現れる脳波を見る手法があります。ミスマッチ陰性電位と呼ばれ、統合失調症の患者では反応が弱まることが知られています。
①どこで誤差を検出しているか
脳は次に聞こえる音を予想しており、予想と違う音が来るとその違いを誤差として検出する、という理論モデルが提案されてきました。
ただし、この誤差を検出する神経回路がどこにあり、信号がどのようなものかは分かっていませんでした。研究グループは二光子顕微鏡で、生きたマウスの脳内の神経細胞の活動を観察しています。
②浅い層の細胞が束になって増幅する
その結果、大脳皮質の聴覚野の浅層にある神経細胞の集団が強く結び付いたクラスターを形成し、予想外の音を増幅して誤差信号を生み出すことが分かりました。
さらに統合失調症のモデルマウスでは、このクラスター化が弱まり、遺伝子発現やシナプスの障害を伴うことを発見しています。研究グループは、精神疾患のバイオマーカーの開発や疾患の層別化への貢献を挙げています。
編集部からひとこと
ミスマッチ陰性電位は、人の検査で既に使われている指標です。今回はその背後にある細胞レベルの仕組みが示されたことで、指標が何を測っているのかの説明がついたことになります。同じ診断名でも状態が異なる患者を分けて扱う層別化は、薬の効き方を見極めるうえで実務的な課題です。
本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。
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