2026.06.10 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)

NEDOがマレーシアで既存ビル改修によるZEB化実証を開始、同国初の取り組み(FrontJournal解説)

ニュース紹介

「マレーシア・サイバージャヤでZEB化の実証事業を開始します―既存建物改修で「Nearly ZEB」の達成を目指すマレーシア初の取り組み―」

NEDOとSustainable Energy Development Authority Malaysia(SEDA)は、マレーシア・サイバージャヤに所在するSEDA本部庁舎を対象に、既存事務所ビルのZEB化を目指す実証事業を開始します。既存建物の改修によるZEB化はマレーシア初の取り組みです。

出典:新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) 2026年6月10日 プレスリリース
https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101944.html

FrontJournalの解説

この事業分野について

ZEB(ゼブ/Zero Energy Building)とは、断熱や日射の遮蔽、高効率な設備で建物が使うエネルギーを大幅に減らし、太陽光発電などで創るエネルギーと合わせて、年間のエネルギー消費を実質ゼロに近づけた建物のことです。省エネの度合いに応じて段階があり、今回目指す「Nearly ZEB」は、一次エネルギー消費量を大きく削減した水準を指します。

世界の温室効果ガスのうち建物分野が占める割合は大きく、新築だけでなく、すでに建っている既存建物の改修による省エネが各国共通の課題になっています。今回の事業は、日本で培われたZEBの技術や知見を、暑い気候のマレーシアにある実在のオフィスで検証する取り組みです。

①既存庁舎をマレーシア初のZEB化へ

NEDOとマレーシアのSEDA(持続可能エネルギー開発庁)は、サイバージャヤにあるSEDA本部庁舎(築21年、延べ床面積約5,000㎡)を対象に、改修によって一次エネルギー消費量を75%以上削減する「Nearly ZEB」の達成を目指します。既存建物の改修によるZEB化はマレーシアで初の取り組みとされ、日本企業ではパシフィックコンサルタンツ、AGC、三菱電機、アズビルが参画します。

②ASEANへの波及を見据えた実証

この事業は、暑い気候の地域での省エネ建築のモデルケースを示し、ASEAN地域(東南アジア諸国連合)への技術の波及を見据えたものです。得られたデータを継続的に分析して各技術の有効性を検証し、建築分野の脱炭素化やエネルギー・環境産業の発展への貢献を目指します。既存建物の省エネは日本国内でも重点課題とされており、海外実証で得られる知見は国内外の改修需要にもつながると見込まれます。

編集部からひとこと

ZEBは新築での導入が先行してきましたが、排出削減の本丸は数の多い既存建物の改修にあります。今回は、日本の技術を気候条件の異なるマレーシアで検証する国際実証で、ASEANという成長市場での足がかりという面も持ちます。実証で得られるデータがどの程度現地の標準づくりに反映されるかが、今後の見どころになりそうです。

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