ニュース紹介
「アルゴン同位体の高精度質量測定で新魔法数の強さを解明」
理化学研究所仁科加速器科学研究センターのマルコ・ローゼンブッシュ研究員、和田道治名誉研究員、高エネルギー加速器研究機構素粒子原子核研究所の石山博恒教授、渡邉裕教授らの共同研究グループは、49Arと50Arの質量を高精度で測定し、新しい魔法数N=32の強さがカルシウムに比べてアルゴンで弱まる傾向を発見したと発表しました。実験は理研仁科加速器科学研究センターのRIビームファクトリー(RIBF)で行われ、超伝導RIビーム生成分離装置(BigRIPS)で生成した高速の放射性同位体(RI)ビームをヘリウムガスセルで停止・冷却し、RFカーペットで引き出したうえで、多重反射型飛行時間測定式質量測定装置(MRTOF-MS)でイオンを数百回往復させて飛行時間を測ることで質量を決定したとしています。結果として、これまで測定例のなかった50Arの質量を初めて測定し、49Arの測定精度を従来の約250倍に向上させたと報告しています。得られたデータからは、新魔法数N=32の強さがカルシウムで最も強く、陽子数が20から離れるにつれて弱まる傾向が観測されたとしています。研究グループは、原子核構造の理解が進むとともに、宇宙での中性子捕獲反応の起こりやすさを左右し、重元素合成過程に影響を与える知見になると説明しています。成果は米国物理学会誌『Physical Review Letters』オンライン版(2026年8月6日付)に掲載されました。
出典:理化学研究所 2026年8月19日 プレスリリース
https://www.riken.jp/press/2026/20260819_2/index.html




