2026.06.25国立大学法人 静岡大学

静岡大、核融合炉プラズマ対向材料のヘリウム照射影響を評価──タングステン合金の水素滞留を解明

要約

静岡大学理学部の大矢恭久准教授の研究グループは、米国サンディア国立研究所、中国合肥工業大学との共同研究として、核融合炉のプラズマ対向材料であるタングステン(W)およびW-10%レニウム(Re)合金への重水素・ヘリウム混合プラズマ照射実験を実施し、水素同位体の滞留挙動へのヘリウム照射および照射欠陥の影響を評価しました。研究成果は2026年6月7日、Elsevierの国際学術雑誌「Journal of Nuclear Materials」に掲載されました(DOI:10.1016/j.jnucmat.2026.156805)。本共同研究は、日米共同研究FRONTIER計画(代表:東北大学 波多野雄治教授)および中国合肥工業大学との共同研究の一環として実施されました。

研究のポイント

静岡大学について

静岡大学は、静岡県内に2キャンパスを構える国立の総合大学です。7学部・5研究科・1研究院を擁し、約1万人以上の学生が学んでいます。今回の研究は、理学部・大矢恭久准教授の研究グループが、米国サンディア国立研究所、中国合肥工業大学との共同で実施しました。

FrontJournalからひとこと

核融合発電では、重水素とトリチウムを核融合反応させて熱を取り出す方式が主流の研究対象です。炉壁に用いるプラズマ対向材料には、高融点で低スパッタ率のタングステンが有力候補とされていますが、実機ではプラズマからの水素同位体・ヘリウム照射と、中性子照射による損傷を同時に受けます。今回の研究は、こうした実機に近い条件で、材料内部にトリチウムがどれだけ残るか(トリチウム管理)を予測するための基盤データを積み上げたものです。W-10%Reという合金化により照射欠陥に伴う水素滞留の増加が抑えられる点は、核融合炉の運転と燃料管理を考える上で示唆に富みます。

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