2026.07.20
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理化学研究所
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元発表:2026.07.16
理研とミュンスター大、植物の耐塩性を高めるヒストンコードを同定(FrontJournal解説)
ニュース紹介
「耐塩性に関わるヒストンコードの同定」
理化学研究所環境資源科学研究センターの関原明チームディレクター、上田実研究員と、ドイツ・ミュンスター大学のイリス・フィンケマイアー教授、フロリアン・コーニック大学院生らの国際共同研究グループは2026年7月16日、植物の耐塩性を制御する特定のヒストン修飾パターンを特定したと発表しました。
研究では、モデル植物のシロイヌナズナのhda19変異体を対象にアセチローム解析を行い、ヒストンH3.3タンパク質の27番目と36番目のリシン残基のアセチル化(H3.3K27acK36ac)が耐塩性を高める「ヒストンコード」であることを明らかにしました。あわせて、LEA7、LEA29、RAB18の3つの遺伝子が必須であることも同定しています。成果は米科学アカデミー紀要(PNAS)オンライン版に2026年7月13日付で掲載されました。
出典:理化学研究所 2026年7月16日 プレスリリース
https://www.riken.jp/press/2026/20260716_2/index.html
FrontJournalの解説
「ヒストンコード」とは何か
細胞の中で、DNAは「ヒストン」というタンパク質に巻きついて収納されています。このヒストンに施される化学的な目印の組み合わせが、遺伝子を使うか休ませるかを決めるスイッチのように働きます。これがヒストンコード(暗号)と呼ばれる仕組みです。今回は、そのうち「塩に強くなる」ための暗号にあたるパターンが特定されました。
①なぜ「塩に強い植物」が必要なのか
世界の農地では、水の蒸発などにより土に塩分がたまる塩害が広がっています。塩分が多いと多くの作物は育ちにくくなり、食料生産に影響します。塩に強い植物のつくり方が分かれば、これまで作物が育たなかった土地でも栽培できる可能性が生まれます。今回の研究は、その仕組みの根本にあたる部分を明らかにしたものです。
②遺伝子を変えずに「使い方」を変えるという発想
注目したいのは、遺伝子そのものを書き換えるのではなく、遺伝子の使われ方を制御する仕組みに着目している点です。ヒストンの修飾パターンが分かれば、品種改良に加え、化合物によって植物の環境ストレス応答を操作する方法の開発にもつながると期待されています。日本とドイツの研究機関による国際共同研究として進められました。
編集部からひとこと
食料生産は、気候変動と土地の劣化という二つの課題に同時に直面しています。植物が塩に耐えるスイッチを分子のレベルで突き止めた今回の成果は、その解決に向けた基礎になります。すぐに畑で使える技術ではありませんが、品種改良や新しい農業資材の設計に生かされる可能性があります。国際共同研究の成果がどう応用へつながるか、注目されます。
本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。
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