2026.07.14
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科学技術振興機構(JST)
兵庫県立大らが微生物群集の役割を推定する新技術「SubCom解析」を開発(FrontJournal解説)
ニュース紹介
「微生物群集のチームプレーを読み解く新技術を開発~組み合わせ情報と機械学習でミクロ社会の構造を紐解く~」
兵庫県立大学大学院工学研究科の石澤秀紘助教(現・大阪大学)、武尾正弘教授、木藤未来大学院生、野口素大学院生、および同大学工学部の木村功大学部生の研究グループは、複雑な微生物群集における個々の役割と相互作用を推定する新技術「SubCom解析」を開発しました。SubCom解析は、微生物群集を多数の小集団に分割して解析する手法で、これに機械学習を組み合わせることで、ゲノム情報だけでは予測が難しい群集内の機能や相互作用を推定することが可能になります。研究グループは、環境汚染物質分解に関わる微生物群集への適用を通じて本手法の有効性を実証したと発表しています。
出典:科学技術振興機構(JST) 2026年7月14日 プレスリリース(掲載誌:Microbiome/DOI: 10.1186/s40168-026-02460-3)
https://www.jst.go.jp/pr/announce/20260714/index.html
FrontJournalの解説
微生物群集とメタゲノム解析の背景
土壌・海水・腸内など、自然界の微生物は多くの場合、単独ではなく多数の種が共存する「微生物群集」として活動しています。個々の微生物が何をしているか、どう連携しているかを網羅的に読み解くことは、物質循環・環境浄化・発酵・医療など幅広い応用の基盤となる重要な研究テーマです。近年はDNA配列を一括で読み取るメタゲノム解析が普及したことで、群集に含まれる種類と遺伝子情報は比較的容易に取得できるようになりました。一方で「どの種がどの機能を担い、どの種と協調しているのか」まで踏み込んで推定することは依然として難しい課題として残っていました。
①SubCom解析という考え方
今回発表された「SubCom解析(SubCom analysis)」は、プレスリリースの説明によれば、微生物群集を多数の小集団(サブコミュニティ)に分割して解析する新たな手法です。群集全体を一度に扱うのではなく、組み合わせを変えた小集団の情報を蓄積することで、そこに含まれる種がどのような機能を担い、どの種と関係が強いかを分解して見ようとするアプローチと位置づけられています。詳細な実装や解析パラメータは論文本文に譲られていますが、群集を分割して比較するという設計思想がこの手法の中核にあります。
②機械学習との組み合わせで推定可能な領域を拡張
研究グループはSubCom解析を機械学習と組み合わせることで、ゲノム情報のみからは予測が難しかった群集内の機能や相互作用を推定できるようにしたとしています。プレスリリースでは、環境汚染物質を分解する微生物群集を対象に本手法を適用し、その有効性を実証したと述べられています。具体的な適用対象物質や定量的な予測精度など、詳しい実験結果は掲載論文(Microbiome、DOI: 10.1186/s40168-026-02460-3、2026年7月9日オンライン公開)を参照する構成です。
編集部からひとこと
本発表はプレスリリース段階での研究成果報告であり、具体的な製品化・実用化時期への言及はありません。微生物群集の機能や相互作用を「推定できる形」にする手法は、環境汚染物質の分解や産業プロセスの最適化、微生物群集の「デザイン化」といった応用に向けた基盤技術になり得るとされており、今後の適用範囲拡大と再現性検証が注目される領域です。詳細はJST公式ページおよびMicrobiome掲載論文をご参照ください。
本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに編集したものであり、発表元の公式見解ではありません。
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