2026.07.23
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理化学研究所・京都大学・東北大学
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元発表:2026.07.21
理研ら、超新星が宇宙線を生む巨大加速器の候補と提示(FrontJournal解説)
ニュース紹介
「超新星は宇宙の巨大粒子加速器か」
理化学研究所の澤田涼基礎科学特別研究員、京都大学の井上裕介氏、東北大学の芦田洋輔助教らの共同研究チームは、2023年に観測された超新星「SN 2023uqf」が、極めて高いエネルギーまで粒子を加速する「ペバトロン」の候補である可能性を示した。研究チームは、可視光の観測データから爆発の衝撃波の状態を推定する放射流体シミュレーションを行い、その衝撃波で粒子がどこまで加速され、どれだけのニュートリノが生まれるかを計算した。同じ時期にIceCube観測装置が検出した高エネルギーニュートリノ事象「IC-231004A」(約442テラ電子ボルト)との関連を理論的に検証した。
出典:理化学研究所 {DATE_JA} プレスリリース
https://www.riken.jp/press/2026/20260721_1/index.html
FrontJournalの解説
この研究分野について
宇宙からは、光だけでなく「宇宙線」と呼ばれる高エネルギーの粒子が絶えず地球に降り注いでいます。中でもとりわけ高いエネルギーを持つ宇宙線がどこで生まれているのかは、100年以上前から続く天文学の大きな謎です。有力な候補のひとつが、星が一生の最後に大爆発を起こす「超新星」です。
近年は、光による観測に加えて、宇宙から飛来する「ニュートリノ」という素粒子を捉えるマルチメッセンジャー天文学(複数の異なる信号を組み合わせて宇宙を調べる手法)が発展しています。南極の氷に埋めた巨大な検出器「IceCube」などが、宇宙のどこかで生まれた高エネルギーニュートリノを捉えており、その発生源を突き止めることが世界的な研究テーマになっています。
①何を示したのか
研究チームは、超新星「SN 2023uqf」の可視光観測データをもとに、爆発の衝撃波が周囲のガスとぶつかる様子をシミュレーションしました。その結果、この衝撃波がPeV(ペタ電子ボルト)級という非常に高いエネルギーまで粒子を加速できる可能性が示されました。これは地上最大の加速器LHCの約140倍に相当するエネルギー領域です。さらに、この加速で生じるニュートリノの量を計算し、IceCubeが実際に検出したニュートリノ事象「IC-231004A」と矛盾しないことを確認しました。超新星がペバトロン(PeV級まで粒子を加速する天体)として働きうることを、観測と理論の両面から結びつけた点が成果です。
②なぜ注目されるのか
高エネルギー宇宙線やニュートリノの発生源を特定できれば、宇宙で最も激しい現象がどこでどう起きているかを直接知る手がかりになります。今回の研究は、可視光による観測とニュートリノ観測を結びつける方法論を具体的に示しました。光は天体の見た目を、ニュートリノは内部で起きる粒子加速を教えてくれるため、両者を組み合わせることで一つの天体をより立体的に理解できます。今後、観測データが増えれば、超新星が宇宙線の主要な起源かどうかの検証が進むと期待されます。
編集部からひとこと
「星の爆発が、地上の大型加速器をはるかに超えるエネルギーで粒子を飛ばしているかもしれない」という話は、宇宙のスケールの大きさを実感させてくれます。今回はあくまで一つの超新星についての可能性の提示であり、結論が確定したわけではありません。それでも、光とニュートリノという別々の観測を橋渡しする研究は、宇宙線の起源という長年の謎に着実に近づく一歩です。FrontJournalは、こうした基礎物理の進展を追い続けます。
本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。
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