2026.08.27
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理化学研究所
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元発表:2026.08.25
理化学研究所、1細胞データから細胞の系譜を推定する手法を開発
ニュース紹介
「細胞の「進化の記録」推定の新手法開発に成功」
理化学研究所光量子工学研究センター 画像情報処理研究チームの太田聡史特別嘱託研究員と横田秀夫チームディレクターらの国際共同研究グループは、1細胞RNAシーケンス(scRNA-seq)データから推定した体細胞変異を利用して、正常組織内の細胞系譜と細胞多様性を再構築する新しい解析手法を開発しました。
国際共同研究グループは、正常細胞に自然に蓄積する少数の体細胞変異を利用し、系統学の手法を応用することで、scRNA-seqデータのみから細胞系譜を推定する解析法を開発しました。シミュレーションとヒト胎盤のscRNA-seqデータによる検証の結果、本手法が細胞間の進化的な系統関係を高い精度で再構築できることを示しています。
本研究成果は、発生生物学、再生医療、老化研究などにおいて、正常組織の形成過程や細胞運命の決定の理解を進める解析基盤になると期待されます。本研究は、科学雑誌『DNA Research』に8月25日付で掲載されました。
出典:理化学研究所 2026年8月25日 プレスリリース
https://www.riken.jp/press/2026/20260825_3/index.html
FrontJournalの解説
この研究分野について
多細胞生物では、一つの受精卵から膨大な数の細胞が分裂し、さまざまな働きを持つ細胞へ変わっていきます。どの細胞がどの細胞から生じたのかという道筋を細胞系譜と呼びます。
近年は1細胞RNAシーケンス(scRNA-seq)が発展し、細胞1個ごとの遺伝子の働き方を細かく調べられるようになりました。研究者が目指しているのは、この測定データから組織ができあがる過程をたどり、発生生物学や再生医療、老化研究に役立てることです。
①従来は似ている度合いから推し量っていた
現在の主流は、scRNA-seqデータから取り出した遺伝子の働き方のパターンをもとに、細胞が変わっていく流れを推し量る方法です。
ただしこれは細胞の状態が似ているかどうかを手がかりにした推定です。実際にどの細胞から分かれてきたのかという系統関係そのものを見ているわけではありません。
②変異の蓄積を系統学の手法でたどった
国際共同研究グループは、正常な細胞にも自然にたまっていく少数の体細胞変異に着目しました。生物の進化をたどる系統学の手法を応用し、scRNA-seqデータだけから細胞系譜を推定しています。
シミュレーションと、ヒト胎盤のscRNA-seqデータによる検証を行い、細胞間の進化的な系統関係を高い精度で再構築できることを示しました。
編集部からひとこと
1細胞の測定データはすでに数多く蓄積されています。今回の手法は、その既存データから系譜という別の情報を引き出す点に特徴があります。新しく測り直さずに解析の枠組みを変えるだけで済むため、再生医療や老化研究で扱う組織にも当てはめやすいと考えられます。
本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。
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