2026.07.31
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NEDO・JFEスチール・やまなしハイドロジェンカンパニー ほか
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元発表:2026.07.31
NEDOら、グリーン水素で還元鉄1トンの試作に日本で初めて成功(FrontJournal解説)
ニュース紹介
「日本初、グリーン水素を使用した還元鉄試作に成功しました」
NEDO、JFEスチール、やまなしハイドロジェンカンパニー(YHC)、巴商会、カナデビア、山梨県企業局および水素製鉄コンソーシアム(GREINS)は、グリーン水素を用いた水素還元試験を実施し、日本で初めて約1トンの還元鉄を製造することに成功した。試験は2026年6月29日から7月1日にかけて行われた。水素の供給には山梨県内に設置された容量1.5MWのPEM型水電解設備を用い、還元には生産能力15kg/hの小型パイロットプラントを使用した。鉄鋼業からのCO2排出は日本全体の約14%を占めており、JFEスチールは2035年頃までにカーボンニュートラル実現に向けた技術を確立し、2050年のカーボンニュートラル達成を目指すとしている。
出典:新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) 2026年7月31日 プレスリリース
https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101957.html
FrontJournalの解説
この研究分野について
水素還元製鉄は、鉄鉱石から酸素を取り除く「還元」の工程で、従来の石炭(コークス)に代えて水素を使う製鉄技術です。反応後に出るのが水になるため、製鉄工程からのCO2排出を大きく減らせます。日本製鉄・JFEスチール・神戸製鋼所の3社がNEDOのグリーンイノベーション基金「製鉄プロセスにおける水素活用プロジェクト」に参加し、国を挙げた開発が進んでいます。
①実証で使う水素の出どころが変わった
水素還元製鉄そのものは以前から実証が進んでいますが、これまでの試験では都市ガスなどから作った水素が使われる場面が多くありました。今回は山梨県に設置された1.5MWの水電解設備で、再生可能エネルギー由来の電力から作ったグリーン水素を用いています。原料の水素まで含めて低炭素な経路で還元鉄を作った点が、日本で初めての達成として位置づけられています。製造量は約1トンで、生産能力15kg/hの小型パイロットプラントによる規模です。商用高炉の生産量とは桁が異なるため、今回の成果は量産の達成ではなく、一連の工程がつながることを確かめる段階にあたります。
②鉄鋼の脱炭素は日本の排出量に直結する
NEDOの発表によれば、鉄鋼業のCO2排出量は日本全体の約14%を占めます。単一の産業として比率が大きいため、製鉄プロセスの転換は国全体の削減目標に直接効いてきます。経済産業省の資料では、2030年までに所内水素を活用した高炉の水素還元技術とCO2分離回収技術によって製鉄プロセスからのCO2排出を30%以上削減する目標が示されており、直接還元技術については2040年代半ばの社会実装が想定されています。JFEスチールは2030年までをトランジション期と位置づけ、西日本製鉄所(倉敷地区)で高炉から大型電気炉へのプロセス転換を検討しています。今回の還元鉄は電気炉の原料にもなる素材で、実証の積み上げが設備投資の判断材料になります。
編集部からひとこと
「日本初」という言葉が強いので数字を確認しました。製造量は約1トン、設備は15kg/hのパイロットです。商用規模にはまだ距離がありますが、再エネ電力→水電解→水素還元→還元鉄という経路を国内で通したこと自体が次の設計の起点になります。鉄は建設から自動車まで裾野が広い素材で、ここが動くと川下の製品の排出量計算も変わります。地味に見えて影響範囲の広い実証です。
本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。
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