市場課題|病理診断を担う人材の偏り

病理医が都市に集中し地域で不足
がんの性質や広がりを見極める最終診断を担うのは病理医ですが、その分布は地域で大きく偏っています。2026年4月20日時点の病理専門医は全国で2,825名で、勤務先の都道府県別では、東京都の507名に対して鳥取県と島根県は各13名です。専門医が少ない地域ほど一人が受け持つ範囲は広がり、診断までの時間が延びやすくなります。
標本を目視で追う負担が重い
病理医は、一枚の標本を隅々まで目で追い、病変の有無と性質を判断します。一枚のガラス標本に含まれる細胞は膨大で、見落としを防ぐ確認と、別の医師によるダブルチェックが一般的です。担い手が限られる施設ほど、この工程に人手を割きにくくなります。
他にも、標本を読み取る装置の導入費用が重いという壁があります。制度の面でも、デジタル化の工程を評価する診療報酬の項目、臓器ごとに画像を読み解く経験、といった課題があるといわれています。
- 病理診断患者から採取した組織や細胞をガラス標本にし、顕微鏡で観察して病変の性質を判定する診断。がんの確定診断を担う最終診断にあたる。
- ガラス標本組織や細胞を薄く切ってガラス板に貼り、染色したもの。プレパラートとも呼ばれ、顕微鏡で観察して病理診断に用いる。


