2026.07.16 科学技術振興機構(JST)

東大・慶大らが見ても触ってもわからない「ステルス皮膚電極」を開発(FrontJournal解説)

ニュース紹介

「ウェアラブルデバイスは『見えない』時代へ~見ても触ってもわからないステルス皮膚電極を開発~」

東京大学、慶應義塾大学、科学技術振興機構(JST)の共同発表によると、研究チームは極薄の伸縮性電子材料と光の反射を皮膚に近づける設計により、顔に貼っても見えず触ってもわからない「ステルス皮膚電極」を開発しました。装着者本人や周囲の人が電極を認識できないこと、心理状態への影響を抑えられることを実験的に確認したとしています。

眼球運動、表情筋、脳波などを自然な状態で計測でき、心理状態や認知状態の理解、スマートフォン・AR/VR機器などの新しい操作方法への応用が期待されると発表されています。研究成果は米科学誌『Science Advances』に、論文「Reduction of appearance artifacts in wearable on-skin electronics」として掲載されました。

出典:科学技術振興機構(JST) 2026年7月16日 共同発表
https://www.jst.go.jp/pr/announce/20260716/index.html

FrontJournalの解説

皮膚電極(オンスキン・エレクトロニクス)とは

皮膚電極は、皮膚に直接貼り付けて心電・脳波・筋電などの生体信号を計測する電子デバイスです。医療用の心電計電極や、近年のヘルスケアウェアラブルにも用いられている技術系統で、貼り付け型・伸縮性・薄膜化といった方向で研究が進んできました。従来は、装着感や見た目が本人・周囲に意識される点が課題として指摘されてきた分野です。

①「見えず・触ってもわからない」設計の要点

今回のポイントは、極薄の伸縮性電子材料と、光の反射特性を皮膚に近づける設計を組み合わせた点にあります。JSTのプレスリリースでは、顔に貼っても見えず、触っても認識できない状態を実現し、装着者本人や周囲の人が電極の存在に気づかないこと、心理状態への影響を抑えられることを実験的に確認したと発表されています。ウェアラブルを「意識せずに身につけられる」領域へ近づける取り組みです。

②自然な状態で測る意義

脳波や表情筋、眼球運動といった信号は、装着している意識そのものが計測値に影響を与える性質があります。装着物の存在が意識されにくくなれば、日常生活の中で自然な状態の生体信号を取得しやすくなり、心理状態や認知状態の理解、スマートフォン・AR/VR機器の新しい操作方法などへの応用が期待されると発表されています。基礎技術の段階で、応用の可能性を示した成果と位置づけられます。

編集部からひとこと

今回の発表は、応用製品や商用化時期を示すものではなく、あくまで基礎技術の段階の研究成果です。ただ、生体信号を「装着している感覚がほとんどないまま」測れる方向性は、医療モニタリングや人間拡張技術(Human Augmentation)の議論とも重なる話題で、今後の展開が注目されます。詳細な実験データ・論文情報はJSTの共同発表ページおよびScience Advances掲載論文をご参照ください。

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本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに編集したものであり、発表元の公式見解ではありません。

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