市場課題|全身のがんは狙いにくい

転移したがんは狙いにくい
全身に広がったがんは、手術や体の外からの照射では狙いにくい治療対象です。どちらも、病変の位置と広がりが分かる場合に効果を発揮します。小さな転移巣が体の各所に散ると、一つずつ標的にしにくく、治療の幅が限られます。
アルファ線核種は入手しにくい
体の内側から放射線を当てる核医学治療のうち、アルファ線を出す核種は、入手できる量が限られてきました。代表的な核種であるアクチニウム225は、原料を核燃料から取り出すため国内では入手が難しく、供給の不足が続いているといわれています。この制約が、治療を受けられる患者が増えにくい一因といわれています。
他にも、ベータ線(原子核から出る電子の流れ)は体内を数ミリメートル進むため周囲の組織にも届くこと、放射性の薬剤を扱える医療機関の少なさ、半減期の短い核種を運ぶ輸送の制約、投与量を決める指標の乏しさ、といった課題があるといわれています。
- 核医学治療放射線を出す物質を薬剤に結合させ、体内へ投与してがんを治療する方法である。薬剤ががん細胞へ集まる性質を利用し、体の内側から放射線を当てる。外部からの照射では狙いにくい全身の病変を対象にできる。


