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導光技術合同会社

導光技術合同会社「中空光ファイバ」を開発

企業紹介|導光技術合同会社とは?

ガラスやプラスチックの細い管の空洞に、光を通す「中空光ファイバ」。導光技術合同会社は、その製造と供給を手がける、東北大学発のディープテック企業です。同社は、赤外レーザー用や分光用など、光の種類に合わせた5つの製品群を、公式サイトに掲載しています。

キーワード「中空光ファイバ」

「中空光ファイバ」は、ガラスやプラスチックの細い管の内側に金属などの膜を付け、管の空洞に光を通す光ファイバです。光は管の内面で反射しながら進み、内側の膜が反射を強めて、伝送の損失を抑えます。同社は、公式サイトによると2008年から中空光ファイバの製造と供給を続けています。

市場課題|石英ファイバでは通しにくい光がある

現状の石英ファイバの課題

高出力の短パルスは損傷を招く

一般的な石英ガラスファイバは、ピーク出力(瞬間の最大出力)の高い短パルスレーザー光を通すと、損傷を受けるといわれています。短パルスレーザーは、光を極めて短い時間に集中して放つレーザーです。高出力のパルス光を届けたい現場では、石英ファイバとは別の伝送手段が求められます。

赤外レーザーは石英で扱いにくい

赤外レーザー光には、従来の石英ファイバでは使えないものがあるとされています。同社には、ガラス管の内面に銀とポリマーを被覆した、赤外レーザー向けの中空光ファイバがあります。

他にも、高出力パルス光による損傷、赤外光の伝送、といった課題があるといわれています。

FrontJournalの解説
  • 中空光ファイバ細い管の内面に金属などの膜を付け、空洞を光の通り道にする光ファイバである。中身の詰まった(中実の)光ファイバと、光の通る場所が異なる。

導光技術合同会社の強み|「中空光ファイバ」を開発

導光技術合同会社が「中空光ファイバ」を開発

膜の選択で波長に対応

同社は、管の内側に付ける膜の材料を変えることで、軟X線からテラヘルツ波(電波と光の中間にある波)まで、用途ごとの製品を用意しています。

同社は、用途ごとに膜の構成を変えた製品を展開しています。赤外レーザー向けは、ガラス管の内面に銀とポリマーを被覆した構造で、狙う光源はEr:YAGレーザー(波長3マイクロメートル)とCO2レーザー(同10.6マイクロメートル)です。紫外・真空紫外光向けは、MOCVD法(原料ガスで薄膜を作る方法)でアルミニウムの薄膜を内面に付け、XeCl、KrF、ArF、F2のエキシマレーザーなどを対象とします。赤外から真空紫外まで光源別の製品が用意されており、光の種類に合う中空光ファイバを使えるようになります。

短パルスの高出力光を通す

芯が空洞のため、石英ファイバを傷めやすい高ピーク出力のパルス光も通せます。

短パルス向けには、Qスイッチ(光を瞬間的に強いパルスにする方式)のYAGレーザー用に設計した製品があります。この製品が伝送するのは、YAGレーザーとその第2から第4高調波の、ナノ秒の高ピーク出力パルスです。フェムト秒(1000兆分の1秒)のパルスも、パルスの広がりをほとんど出さずに、高いパルスエネルギーのまま届けられるとされています。石英ファイバは、高いピーク出力のパルスによる損傷を受けやすいといわれ、空洞の芯はこの点で構造が異なります。

FrontJournalの解説
  • エキシマレーザー希ガスとハロゲンの励起状態を利用して、紫外光を出すガスレーザーである。中空光ファイバの紫外・真空紫外光向け製品が、主な対象に挙げる光源の1つである。

中空光ファイバの未来|対応波長と用途の拡大へ

中空光ファイバが変える未来

極端な波長の導波路

同社は、軟X線、極端紫外光(EUV)、テラヘルツ波向けの、金属被覆の中空導波路(光を導く通り道)を展開しています。内面には銀やアルミニウムなどの金属を被覆し、伝送効率を高めています。芯径は250マイクロメートルから3mmまでの範囲です。柔軟なプラスチック管を使った導波路も用意されています。公式サイトには、軟X線、EUV、真空紫外光、遠赤外光、テラヘルツ波といった極端な波長も扱うとあります。

医療用レーザーへの応用

赤外レーザー向けのガラス製中空光ファイバは、化学的・機械的な安定性と非毒性から、医療や歯科の用途に適するとされています。公式サイトには、中空光ファイバは高出力の赤外光、可視光、紫外光のレーザーを効率よく届けるとあります。同社の赤外向け製品では、CO2レーザーも対象です。

分光での使い道

ラマン分光(波長がわずかに変わって散乱される光から物質の成分を調べる方法)では、中空の芯が雑音の発生源にならない点が利点です。芯の吸収損失が小さいため、紫外分光と赤外分光にも適するとされています。分光用は、赤外用や短パルス用と並ぶ、用途別の製品群の1つです。芯に試料ガスを満たすと、中空光ファイバは容量が小さく光路の長いガスセルとしても働くとされています。

会社概要|導光技術合同会社の事業内容・設立背景

東北大学発の教職員等ベンチャー

導光技術合同会社は、2007年5月に設立された、宮城県仙台市の企業です。経済産業省の大学発ベンチャーデータベース2026では、関連大学は東北大学で、大学との関係は教職員等ベンチャーとされています。主力の製品・サービスは光ファイバ、技術分野はエレクトロニクスに分類されています。公式サイトによると、製造と供給の開始は設立の翌年にあたる2008年です。公式サイトには、用途別の5つの製品群が載っています。

事業と製品

事業は、中空光ファイバの製造と供給です。製品は、赤外レーザー用、紫外・真空紫外光用、分光用、短パルスレーザー用、極端な波長用の5つの用途に分けて公式サイトに掲載されています。赤外レーザー用はガラス管の内面に銀とポリマーを被覆し、紫外光用はアルミニウムの薄膜を内面に付けます。極端な波長用の芯径は、250マイクロメートルから3mmまでです。公式サイトは、同社を中空光ファイバの製造者・供給者としています。

所在地と体制

本社は、仙台市太白区三神峯2丁目13番65号にあります。英文名はDoko Engineering LLCです。データベースの調査時点(2024年度)では、正社員数は1名、資本金は30万円でした。法人番号5370003001202で、Gビズインフォに登録されています。公式サイトには、仕様書のページと問い合わせフォームがあります。

会社情報

会社名導光技術合同会社(Doko Engineering LLC)
所在地宮城県仙台市太白区三神峯2丁目13番65号
設立2007年5月
事業中空光ファイバの製造、供給
技術領域中空光ファイバ(赤外レーザー、紫外・真空紫外光、分光、短パルスレーザー、極端な波長)
連携東北大学(教職員等ベンチャー)
URLhttps://www.do-ko.jp/

編集後記|FrontJournal編集部より

管の内側に付ける膜と管の構成を変えて、赤外から紫外、さらにX線やテラヘルツ波まで扱う発想は、中空光ファイバの特徴です。中身の詰まった光ファイバでは通しにくい光を、空洞に通すという考え方といえます。この発想を5つの用途別の製品群へ広げている点も、同社の特徴といえます。

とくに注目したのは、短パルスの高出力光や赤外レーザーの光を運ぶ部品を供給している点です。同社の製品が研究や医療の現場でどう使われていくのかを、見守りたい取り組みといえます。

FrontJournal編集部

出典:経済産業省 大学発ベンチャーデータベース2026

出典:「Gビズインフォ」(経済産業省)(2026年9月28日に利用)を加工して作成

本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。

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