市場課題|細菌の同定に残る、時間の壁

培養は結果まで数日かかる
細菌の同定で標準とされる培養法は、結果が出るまでに数日以上かかり、増殖の遅い結核菌では約1か月に及ぶこともあります。敗血症は診断後1時間以内の抗菌薬投与が有効とされ、2017年の世界では死者の約5人に1人が敗血症に関連するという推計も報告されています。結果を待つ間は、原因菌に合わせた治療を始めにくい状況が続くことが課題です。
PCRは菌種ごとの試薬が必要
迅速な核酸検査として広く知られるPCR法で菌種を特定するには、想定する菌種ごとに試薬を用意しなければなりません。PCR法は標的とする遺伝子の有無を調べる手法のため、不特定の細菌を現場で素早く同定する用途には、使いにくい方法です。
他にも、既存のDNAシーケンサは分析に6時間以上かかること、食品の製造現場で細菌検査を素早く行いにくいこと、医療の細菌検査でも結果待ちの時間が生じること、といった課題があるといわれています。
- 敗血症細菌やウイルスなどの感染をきっかけに、全身で過剰な反応が起こり、臓器の働きが低下する状態である。死亡率は約30%とされ、診断後1時間以内の適切な抗菌薬投与が有効とされる。


