市場課題|タンパク質の生産と供給

作りにくい抗原で開発が遅れる
ワクチンや診断薬の開発では、目的のタンパク質を思うように得られず、計画が滞ることがあります。大腸菌や酵母を使う微生物発現系は扱いやすい一方、複雑な立体構造を持つタンパク質は生産しにくいためです。必要な量と品質が揃わなければ、動物試験も臨床評価も進みにくくなります。
冷蔵と人手が要り普及しにくい
家畜の感染症対策で使われてきた注射ワクチンは、投与に手間と設備を要します。1頭ずつ注射する人手が必要なうえ、接種まで低温を保つ流通、いわゆるコールドチェーンも欠かせないためです。獣医や設備の整わない地域ほど、必要な予防が行き渡りにくくなります。
発生する感染症は地域や年で変わり、必要な抗原を速やかに用意できるかも課題です。他にも、生産設備の増設に要する時間、開発の初期から求められる品質の管理、新しい感染症が現れたときの対応の速さ、といった課題があるといわれています。
- 抗原免疫が目印として認識する物質。ワクチンは病原体の一部を抗原に使い、体内に免疫の反応を起こさせる。
- 発現導入した遺伝子の情報をもとに、生物にタンパク質を作らせること。目的のタンパク質を得る工程そのものを指す。
- 組換えタンパク質目的の遺伝子を別の生物に導入して生産させたタンパク質。ワクチンの抗原や診断薬の材料として広く利用される。
- バキュロウイルス昆虫に感染するウイルスの一群。ヒトには感染せず、目的の遺伝子を運ぶ道具として広く利用される。
- コールドチェーン製造から使用まで低温を保って運ぶ流通の仕組み。温度で品質が変わるワクチンの輸送に欠かせない。


