2026.07.17 株式会社Archeda

Archeda、日本全国10m解像度の森林バイオマスマップを構築 JAXAとの委託業務成果が国際査読誌に掲載(FrontJournal解説)

ニュース紹介

「Archeda、JAXAとの委託業務成果に関する論文が、国際査読学術誌『Remote Sensing』に掲載」

自然由来カーボンクレジット向けのMRV(測定・報告・検証)ソリューションを開発する株式会社Archeda(本社:東京都千代田区、代表取締役:津村洸匡)は2026年7月15日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、一般財団法人リモート・センシング技術センターとの委託業務の成果に関する論文が、国際査読学術誌『Remote Sensing』(MDPI)のSpecial Issueに掲載されたと発表しました。本研究は、文部科学省による令和5年度宇宙開発利用推進研究開発委託事業として、内閣府「宇宙開発利用加速化戦略プログラム(スターダストプログラム)」の一環で実施されたものです。

プレスリリースによると、研究では航空機データと複数の衛星データを組み合わせた機械学習により日本全土の樹高を推定し、4樹種(常緑針葉樹・常緑広葉樹・落葉針葉樹・落葉広葉樹)ごとに最適化したアロメトリー式を適用することで、解像度10mの全国地上部バイオマス(AGB)マップを構築しました。検証の結果、既存のグローバルプロダクトであるESA CCI Biomassと比較して大幅に高い推定精度を達成し、特に高バイオマス域での飽和を抑制できることが確認されたとしています。

出典:株式会社Archeda 2026年7月15日 プレスリリース(掲載誌:Remote Sensing/論文「High-Resolution Forest Biomass Mapping in Japan Using Canopy Height Estimation from Remote Sensing and Machine Learning」、著者:Akito Davis Kawamura, Tomoya Kodama, Takeo Tadono)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000026.000110822.html

FrontJournalの解説

森林バイオマス推定とカーボンクレジット

地上部バイオマス(AGB:Above-Ground Biomass)は、森林など植生が地上に蓄えている乾燥重量を指し、樹木がどれだけ炭素を蓄積しているかを推定する基礎となる値です。カーボンニュートラルの実現に向け、森林が吸収する炭素量を広い範囲で正確に把握する必要性が高まっており、国内外で衛星データを用いた広域推定の研究が進んでいます。カーボンクレジット制度では、この推定値を根拠に排出枠が発行されるため、MRV(測定・報告・検証)の精度が制度の信頼性を左右します。

①高バイオマス域の"飽和"という課題

衛星による森林の観測では、樹木が密に生い茂り蓄積量が多い領域になるほどセンサーの信号が頭打ちになり、正確なバイオマス推定が難しくなる「飽和」という現象が知られています。Archedaは今回、航空機LiDAR等のデータと複数の衛星データを機械学習で組み合わせることで日本全土の樹高を推定し、常緑針葉樹・常緑広葉樹・落葉針葉樹・落葉広葉樹の4樹種ごとに、樹高からバイオマス量を換算するアロメトリー式を適用しました。結果として、高バイオマス域での飽和を抑制し、既存のグローバルプロダクトより推定精度が高まったとしています。

②日本全国10m解像度という粒度

今回のマップは、日本全国を10mの解像度で描いた地上部バイオマス分布です。プレスリリースでは、この粒度により林業事業者、行政機関、カーボンクレジット市場など多様な分野での活用が期待されると発表されています。カーボンクレジットの継続的モニタリングやMRVプロセスの高度化に向けた基盤として位置づけられており、Archedaは同社ソリューション「Green Insight」の展開に本成果を活かす方針を示しています。

編集部からひとこと

Archedaは、JAXAの宇宙戦略基金にも自然由来カーボンクレジットのプラットフォーム事業で採択されており、今回の研究成果はその技術基盤の一角にあたります。カーボンクレジットのMRVは、制度の透明性・信頼性を支える裏方の技術で、地味ながら市場のあり方を左右する分野です。詳細な論文情報は『Remote Sensing』掲載論文をご参照ください。

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