アドバンスコンポジットが京都iCAPからシリーズB調達、放熱性の高い金属複合素材で半導体市場へ
要約
独自の複合素材技術を手がけるアドバンスコンポジット株式会社は2026年7月2日、京都大学イノベーションキャピタル(京都iCAP)を引受先とするシリーズBの資金調達を実施したと発表しました。同社は「溶湯鍛造法」と呼ぶ製法で、無機多孔質体(内部に細かな穴を多く持つセラミックスなどの材料)と金属を融合させた複合素材を開発しています。機械的な強度と軽さを両立しながら、高い放熱性能を備える点が特徴で、発熱が課題となるAI・半導体分野での用途拡大を目指すとしています。調達額は公表されていません。
発表のポイント
京都iCAPを引受先にシリーズB資金調達を実施
アドバンスコンポジットは、京都大学イノベーションキャピタルが運営する「KYOTO-iCAP3号ファンド」を引受先として、シリーズBの資金調達を実施しました。調達額は公表されていません。同社はスタートアップの祭典「IVS2025」で優勝した実績を持つと説明しています。
「溶湯鍛造法」で無機多孔質体と金属を融合
同社の中核となるのは「溶湯鍛造法」と呼ぶ製法です。内部に細かな穴を多く持つ無機多孔質体に、溶かした金属を高い圧力で流し込んで一体化させ、強度と軽さを両立した複合素材をつくります。金属単体では得にくい特性を、材料の組み合わせによって引き出すアプローチです。
高い放熱性能でAI・半導体市場の課題に対応
この複合素材は、熱を逃がす放熱性能に優れる点が特徴とされています。AIや半導体の分野では、チップの高性能化に伴う発熱をいかに処理するかが課題になっており、同社は放熱性を活かして次世代産業向けのソリューションを広げる考えです。今後はアカデミアとの連携を強め、半導体サプライチェーンでの存在感を高めるとしています。
企業の概要
アドバンスコンポジット株式会社(代表取締役:服部淳一)は、溶湯鍛造法による金属複合素材の開発・提供を手がける素材スタートアップです。今回の調達は、京都大学イノベーションキャピタル(京都iCAP)が引き受けています。
FrontJournalからひとこと
AIや半導体の性能が上がるほど、チップから出る熱をどう逃がすかが装置全体の設計を左右します。放熱は地味に見えて、機器の小型化や安定動作を支える重要な技術です。金属と多孔質材料を組み合わせて強度・軽さ・放熱を同時に狙う今回の素材は、こうした熱の課題に材料側から応える取り組みといえます。調達額が公表されていないため事業規模は読み取りにくいものの、大学系ファンドが引き受けている点は、技術の裏付けを重視した投資姿勢がうかがえます。実際の採用事例や量産時の性能データが、今後の評価材料になりそうです。
