チトセロボティクスが生成AIによる産業用ロボット動作生成を検証、参照情報で品質向上
要約
株式会社チトセロボティクスは、Vision-Language Model(VLM、画像と言語を扱う生成AI)を用いて、カメラ画像と日本語の指示から産業用ロボットの制御プログラムを自動生成する検証結果を公表しました。ピック&プレイス作業など全12タスクを対象に、生成されたプログラムの品質を、指示仕様への準拠度(20点満点)とコード習熟度(5点満点)で評価。参照情報を与えない場合の74.3%から、「埋込プロンプト」「APIリファレンス」「過去事例データベース」を段階的に追加することで88.7%へ、14.3ポイント向上したとしています。同社はロボット制御ソフトウェア「クルーボ」を開発しており、実機の動作を紹介する動画もYouTubeで公開しています。
発表のポイント
カメラ画像と日本語指示から制御プログラムを自動生成
検証では、Vision-Language Model(VLM)を使い、カメラ画像と日本語による作業指示から、産業用ロボットの制御プログラムを自動生成します。人が細かくコードを書くのではなく、画像と自然言語の指示をもとにAIがプログラムを組み立てる仕組みを対象としています。
全12タスクを2つの指標で数値評価
評価対象はピック&プレイス作業などの全12タスクです。生成されたプログラムの品質を、指示仕様への準拠度(20点満点)とコード習熟度(5点満点)という2つの指標で数値化し、参照情報の種類と組み合わせが品質に与える影響を測定しました。
参照情報の追加で品質が74.3%から88.7%へ向上
参照情報を与えない場合の品質は74.3%でしたが、「埋込プロンプト」「APIリファレンス」「過去事例データベース」を段階的に追加することで88.7%へ、14.3ポイント向上しました。特に過去事例データベースは、実務コードに含まれる現場由来の知見をVLMが参照するための情報源として機能する可能性が示されたとしています。
企業概要
株式会社チトセロボティクスは、ロボット制御ソフトウェア「クルーボ」を開発する企業です。産業用ロボットの制御技術を手がけており、今回はVLMを用いたロボット動作生成(VLMコーディングエージェント)の検証結果を公表しました。
FrontJournalからひとこと
産業用ロボットの現場では、作業ごとに制御プログラムを用意する手間が導入の壁になってきました。画像と日本語の指示からプログラムを自動生成できれば、その負担を減らせる可能性があります。今回の検証で注目されるのは、AI単体の性能だけでなく、どの参照情報を与えると品質が上がるかを数値で切り分けている点です。とりわけ過去の実務コードを参照させることで品質が上がった結果は、現場の知見をAIにどう渡すかという実装上の論点を具体的に示しています。実運用に向けては、対象タスクの幅や、生成コードの安全性の検証が今後の焦点になりそうです。
