AIBDラボ「自己免疫性水疱症の診断」を開発

株式会社AIBDラボ(エーアイビーディーラボ)

AIBDラボ「自己免疫性水疱症の診断」を開発|研究領域=自己免疫性水疱症の・診断を目指す/強み=3検査を・組み合わせる予定/将来性=2024年7月時点で・設置を準備

企業紹介|株式会社AIBDラボとは?

皮膚に水疱ができる希少な難治性疾患を、検査で見分ける「自己免疫性水疱症の診断」。株式会社AIBDラボは、その社会実装を目指す、大阪公立大学発のディープテック企業です。同社は、自己免疫性水疱症に特化した診断センターのベンチャー企業として、2024年3月に大阪公立大学から大学発ベンチャーに認定されました。

キーワード「自己免疫性水疱症の診断」

「自己免疫性水疱症の診断」は、同社が独自に開発したとする蛍光抗体間接法やELISA法(酵素免疫測定法)、免疫ブロット法などの検査で、病型を見分けることです。大阪公立大学の発表によると、同疾患は約50種類に分類され、治療法が異なります。同社は、より簡便に網羅的な診断ができるシステムを構築したとしています。

市場課題|自己免疫性水疱症は診断に多くの検査が必要

現状の自己免疫性水疱症の診断の課題|現状は、診断に多くの検査が必要|病型は約50種類に・分類される/診断に20以上の・検査法が必要

皮膚に水疱ができる難病

自己免疫性水疱症は、皮膚に水疱ができる疾患です。大阪公立大学の発表では、指定難病の位置づけです。天疱瘡と類天疱瘡に大別されます。皮膚の細胞どうしや皮膚の層をつなぐ構造の自己抗原(自分の体の成分で、免疫の標的になるもの)に反応して抗体ができることで、水疱が生じます。

診断に20以上の検査法が必要

同社は、現在、すべての自己免疫性水疱症の診断には、20以上の異なる検査法が必要だとしています。検査法には、蛍光抗体間接法、ELISA法(酵素免疫測定法)、免疫ブロット法などがあります。治療法が疾患ごとに異なるため、検査で病型を見分けることが欠かせません。

他にも、病型が約50種類に細かく分かれること、疾患により治療法が異なること、診断に20以上の検査法を要すること、といった課題があるといわれています。

FrontJournalの解説
  • 自己抗原自分の体の成分のうち、免疫が誤って攻撃の標的にしてしまうもの。自己免疫性水疱症では、皮膚の細胞どうしや皮膚の層をつなぐ構造が標的になる。

株式会社AIBDラボの強み|「自己免疫性水疱症の診断」を開発

AIBDラボが「自己免疫性水疱症の診断」を開発|これまでに、診断システムの構築を実現|3検査を・組み合わせる予定/自己抗原の同定に・基づく検査

3検査を組み合わせる予定

同社は、現在の診断では、20以上の異なる検査法が必要だとしています。

同社が開設当初に行う予定の診断法は、濃縮ヘミデスモソーム分画(皮膚の層をつなぐ構造を濃縮した成分)を用いる免疫ブロット法、デスモコリン(Dsc、皮膚の細胞どうしをつなぐ構造を作るタンパク質)のELISA法、既存のBiochip検査法の3つを組み合わせたものです。同社は、この3検査のみで、すべての自己免疫性水疱症を診断できると考えています。これにより、20以上の検査法が必要とされる診断が、3検査でできるようになると、同社は見込んでいます。

自己抗原の同定に基づく検査

自己免疫性水疱症は、病型ごとに標的の自己抗原が異なり、疾患により治療法も異なります。

代表の橋本隆氏は、大阪公立大学皮膚病態学教室などで、30年余にわたり診断検査法を開発してきたと述べています。大阪公立大学の紹介では、橋本氏は、長年にわたり自己抗原を同定し、すべての自己免疫性水疱症を診断する検査システムを構築した、とのことです。同社は、これをもとに、より簡便に網羅的な診断ができるシステムを構築したとしています。目標は、すべての亜型を診断できるようにし、適切な治療の選択に寄与することです。

FrontJournalの解説
  • ELISA法抗体と抗原の結合を利用して、血液などの検体に含まれる特定の物質を測る検査法。自己免疫性水疱症では、特定の自己抗原に対する抗体の量を調べる。

「自己免疫性水疱症の診断」の未来|検査施設の設置と自動診断の開発へ

自己免疫性水疱症の診断が変える未来|今後は、検査施設の設置が焦点|2024年7月時点で・設置を準備/蛍光抗体法の・自動診断を開発中/全ての患者の診断を・目指す

検査施設の設置を準備

代表の橋本氏は、2024年7月時点で、国内外の数施設と相談し、検査ラボを設置するための準備作業を行っているとしています。大阪公立大学の発表では、同社の目的は、開発したシステムで検査を行う施設を設置し、迅速・的確な診断で全ての患者を救うことです。同社は、バイオベンチャーダイレクトリー(2024年10月25日更新)で、国内の既存の検査試薬会社3社から、検査キットの供与について承諾を得たとしています。検査施設の共有でのアライアンスと、検体送付での既存の臨床検査会社の協力を希望しています。

蛍光抗体法の自動診断を開発中

蛍光抗体法の診断には、ディープラーニングを用いるプログラムを、同社が開発しています。同社の資料では、この自動診断のステージは、非臨床試験(人を対象にしない試験)です。あわせて、腫瘍随伴性天疱瘡(腫瘍に伴って起こる天疱瘡)における抗トランスグルタミナーゼ1自己抗体の検出は、研究段階です。同社は、これまで目視で判定していた蛍光抗体法の検査を、このプログラムで、正確で均一な診断が可能となるようにすることを目標としています。

全ての患者の診断を目指す

同社は、自己免疫性水疱症に特化した診断センターとして、全ての患者の診断を目指しています。2026年10月15日時点で、検査受託の開始やラボの開設を示す公開情報は、確認できていません。検査施設の設置と、検体の受け入れ体制が整うことが、実現の前提です。検査受託が始まれば、診断を必要とする患者が、同社の検査を利用できるようになります。

会社概要|大阪公立大学発の診断センター

大学発ベンチャーの認定

同社は、指定難病の自己免疫性水疱症に特化した診断センターのベンチャー企業です。2024年3月22日に、大阪公立大学発ベンチャー企業として認定されました。大阪公立大学は、2024年7月17日に、この認定を発表しています。バイオベンチャーダイレクトリー(企業の自己申告、2024年10月25日更新)によると、設立は2021年7月29日です。

代表と所在地

代表は、大阪公立大学医学研究科の特任教授である橋本隆氏です。代表の肩書は、大阪公立大学が2024年7月17日に発表した時点のものです。本社は、2024年7月時点で、大阪市阿倍野区旭町の大阪公立大学医学部南館3-2号室に置いています。

資本金と従業員数

バイオベンチャーダイレクトリー(企業の自己申告、2024年10月25日更新)によると、資本金は100万円、従業員数は4人です。国税庁の法人番号公表サイトによると、法人番号の指定は2021年8月3日で、変更履歴は新規の1件のみです。法人番号公表サイトでは、2026年10月15日の確認時点で、閉鎖や解散の記載はありません。

会社情報

会社名株式会社AIBDラボ(エーアイビーディーラボ)
所在地大阪府大阪市阿倍野区旭町1-4-3 大阪公立大学 医学部南館3-2号室(2024年7月時点)
設立2021年7月29日(バイオベンチャーダイレクトリーの企業申告による)
代表橋本 隆(大阪公立大学医学研究科 特任教授)
事業自己免疫性水疱症に特化した診断センターのベンチャー企業(大阪公立大学発、2024年3月22日認定)。2024年7月時点で、検査ラボの設置を準備中
技術領域自己免疫性水疱症の診断検査(蛍光抗体間接法、ELISA法、免疫ブロット法)
URL公式サイトは確認できていません。
出典:大阪公立大学(大学発ベンチャーの認定、2024年7月17日)、バイオベンチャーダイレクトリー(2024年10月25日更新)、国税庁法人番号公表サイト(法人番号7120001239478)。確認日2026年10月15日

編集後記|FrontJournal編集部より

自己免疫性水疱症は、病型により治療法が異なる疾患です。同社は、20以上必要とされる検査を、3検査の組み合わせで診断する予定です。検査の数を絞る試みとして、注目できます。

一方で、検査施設は、2024年7月時点で準備の段階でした。検査施設の設置と、検体を受け入れる体制づくりが、今後の焦点です。同社の発表や公開情報の更新を、引き続き確認していきます。

患者に診断が、より早く、簡便に届く日を、楽しみに待ちたいと思います。

FrontJournal編集部

出典:経済産業省 大学発ベンチャーデータベース2026

出典:「Gビズインフォ」(経済産業省)(2026年9月28日に利用)を加工して作成

本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。

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