GET BACK「背骨計」を開発

株式会社GET BACK(ゲットバック)

GET BACK「背骨計」を開発

企業紹介|株式会社GET BACKとは?

Webカメラの映像から、パソコン作業中の座位姿勢を推定するアプリ「背骨計」。株式会社GET BACKは、その社会実装を目指す、東北大学発のヘルスケア系ディープテック企業です。顔の映像だけで姿勢を推定できる「背骨計」を、東北大学の脊椎外科医の監修のもとで開発しています。

キーワード「背骨計」

「背骨計」は、Webカメラに映る顔の映像から、パソコン作業中の座位姿勢を推定するアプリです。特徴は、顔映像だけで姿勢を推定できる点にあります。論文では、頭の傾きの角度と画面までの視距離という2つの値から、脊柱の並びを推定する方法が示されています。

市場課題|パソコン作業中の姿勢は、自分では確かめにくい

現状の座位姿勢の課題

PC作業が増え肩こりも増加

デジタル機器に向かう時間は、コロナ禍の前後で1日あたり5.5時間延びたとされます。成人では、その際の悪い姿勢と、肩こりや腰痛が関連していると報告されています。作業時間が延びた分、首や背中への負担が積み重なりやすい状況です。

作業中の姿勢に気づきにくい

頭の重さは約5kgで、首を30°傾けると約18kg、60°傾けると約27kgの負担になるとされます。それでも、作業に集中していると、頭が前に出ていることに自分では気づきにくいのが実情です。そのため、肩こりや背中の痛みの原因が姿勢にあっても、見直すきっかけを得にくくなります。

他にも、同社の公式サイトには、若年成人女性の約3割の首が本来の反りと逆転しているといった課題があるといわれています。

FrontJournalの解説
  • 座位姿勢椅子に座っているときの体の姿勢である。パソコン作業では、頭が前に出て背中が丸まりやすく、首や背中に負担がかかりやすい。

GET BACKの強み|「背骨計」を開発

GET BACKが「背骨計」を開発

顔映像から姿勢を推定する

従来、姿勢を正確に調べるには、専用の機器や撮影が必要でした。

同社の「背骨計」は、Webカメラに映る顔の映像だけで、座位姿勢(座っているときの姿勢)を推定するアプリです。パソコンに付いているカメラで足りるため、普段の作業の様子をそのまま測れます。原理の論文では、頭の傾きの角度と、画面までの視距離という2つの値を使っています。専用の撮影の場を用意する必要はありません。作業を中断せずに、首や背中への負担を見直せるようになり、姿勢の確認が日々の習慣にしやすくなる点が強みです。

放射線画像で精度を検証

従来、画像から推定した姿勢が、体の中の背骨の状態と合っているかは確かめにくい面がありました。

背骨計の姿勢推定の原理は、国際一般科学雑誌「PLOS One」(総合科学誌)の論文で報告されています。論文では、放射線画像から求めた脊柱アライメント(背骨の並び方)を使い、頭の傾きの角度と画面までの視距離を使う推定法の精度を検証しています。推定の根拠が論文という形で公開されているため、第三者が内容を確かめられる点が特徴です。結果として、姿勢の見直しを、感覚ではなく根拠のある数値でできるようになります。

FrontJournalの解説
  • 脊柱アライメント背骨を横から見たときの並び方や曲がり方である。首から腰までの曲がりの状態を表し、姿勢の良し悪しを見る手がかりになる。

背骨計の未来|座位姿勢の見直しと健康支援

背骨計が変える未来

Windows版を公開中

背骨計は、Windows 10/11に対応したアプリとして、公式サイトで公開されています。パソコンにカメラがあれば試せるため、導入のための機器は要りません。身近なパソコンで、自分の座り方を確かめるところから始められる点が利点です。

企業の労務管理に活用

同社は、背骨計の活用先として、企業や官公庁の労務管理を挙げています。長時間のパソコン作業が多い職場では、従業員の座り方を数値で把握できれば、休憩の取り方や環境の見直しに生かせます。2025年2月に開かれた「MATSUE Tech-Product Award 2025」(松江市主催のITビジネスコンテスト)では、特別審査員の松江市長から、労務管理への社会実装が早期に期待できるとの評価が寄せられました。企業での利用は、同社が想定する中心的な使い道の一つです。

座位姿勢の健康支援を目指す

同社は、すべての人がくびやせぼねを良い状態に保ち、良い姿勢で健やかな人生を送れるよう手助けすることを使命に掲げています。背骨計で姿勢を測ることで、首や背中への負担に気づく機会をつくれます。気づきを日々の姿勢の見直しにつなげる、健康支援の基盤になる取り組みです。同社は、オフィス家具や事務機器のメーカーとの協業も、市場の広がりとして見込んでいます。

会社概要|座位姿勢の推定を事業にするGET BACK

2024年12月に設立

株式会社GET BACKは、2024年12月に設立された企業です。本社は、宮城県仙台市青葉区の北目町にあります。代表取締役は、松田佳歩氏と橋本功氏の2人です。取締役には、早坂智明氏が就いています。社名の「GET BACK」は、よりよいせぼねを手に入れる、よいせぼねを取り戻す、という2つの意味を込めた名称です。

東北大学との関わり

同社は、東北大学発のベンチャーです。大学との関係は、研究成果をもとにした「研究成果ベンチャー」に当たります。代表取締役の橋本功氏は、東北大学整形外科の准教授で、脊椎外科主任を務める現役の脊椎外科医です。これまでに2,000件を超える脊椎手術に携わり、現在も東北大学病院で年100件以上の手術と診療を手がけています。背骨計は、東北大学の脊椎外科医の監修のもとで開発されています。

採択と受賞

2025年2月には、背骨計が松江市主催のビジネスコンテスト「MATSUE Tech-Product Award 2025」(IT関連技術の事業化を競う大会)で、最優秀賞とアプローチ賞を受賞しました。姿勢推定の原理が国際一般科学雑誌「PLOS One」(オープンアクセス形式の総合科学誌)の論文になったのは、2025年6月27日です。2025年7月には、総務省の「ICT Startup League」に、全国310社の応募のうち62社の1社として採択されています。

会社情報

会社名株式会社GET BACK
所在地宮城県仙台市青葉区北目町4-7 HSGビル7階
設立2024年12月
代表代表取締役 松田佳歩、橋本功
資本金120万円
事業座位姿勢を推定するアプリ「背骨計」の開発
技術領域顔映像による座位姿勢の推定。脊柱アライメントの推定
連携東北大学(脊椎外科医が監修)
URLhttps://get-back.jp/

編集後記|FrontJournal編集部より

パソコンに向かう時間が長くなるほど、座り方は健康に直結します。GET BACKの取り組みは、その座り方を、顔映像という手軽な入力から測れる形にする試みです。姿勢を数値で見直せるようになれば、感覚で進めてきた姿勢の改善が進めやすくなります。毎日の作業の中で続けやすい形であるほど、座り方の見直しは定着しやすくなります。

注目したのは、推定の原理が論文として公開され、放射線画像との比較で検証されている点です。医学的な根拠と日常の手軽さを両立させる設計が、事業の核心だと考えます。作業中の姿勢を手軽に確かめられる日が来れば、肩こりや腰痛に悩む人が、早めに見直しを始められる可能性があります。

FrontJournal編集部

出典:経済産業省 大学発ベンチャーデータベース2026

出典:「Gビズインフォ」(経済産業省)(2026年9月28日に利用)を加工して作成

本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。

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