ハイレゾ「海外クラウドへの依存」を解決

株式会社ハイレゾ

ハイレゾ「海外クラウドへの依存」を解決|事業領域=必要な分だけ借りる・AIの計算力/強み=LLM向けの・AIスパコンクラウド/将来性=大学や研究機関へ・計算基盤を広げる

企業紹介|株式会社ハイレゾとは?

AIの計算に使う半導体を、インターネット経由で必要な分だけ借りられる「GPUクラウド」。株式会社ハイレゾは、その仕組みを国内のデータセンターから提供する、GPU専用のクラウド系ディープテック企業です。GPUクラウド「GPUSOROBAN」を、AI開発や画像生成の現場へ提供しています。

キーワード「GPUクラウド」

「GPUクラウド」は、画像処理用の半導体であるGPUを、インターネット経由で借りて使えるサービスです。特徴は、サーバーを自前で購入・設置せずに、AIの学習や推論に使う計算力を確保できる点にあります。GPUは多数の計算を同時に進められるため、AIの学習や画像生成に使われます。

市場課題|GPUクラウドに残る、依存と費用

現状のGPUクラウドの課題|現状は、海外への依存と費用の高さが利用の壁になる|AIの計算は・海外クラウドに依存/GPUの運用費が・利用料に表れやすい

海外の大手クラウドへの依存

国内で動くAIの計算は、海外の大手クラウドに依存する面があります。計算力は産業の土台であり、依存が大きいほど、価格や供給の条件を国内で決めにくい状態です。国内にGPU専用の計算基盤を持つことが、論点になります。

GPUクラウドの費用の高さ

GPUは高価な半導体で、動かすと電力と冷却の費用がかかります。そのため、既存のGPUクラウドは、利用料が高くなりやすい面があります。AIの学習や画像生成を試す小さな組織にとって、費用は利用の壁です。

他にも、GPUの調達、データセンターの電力、運用の人手、といった課題があるといわれています。

FrontJournalの解説
  • GPU画像処理に使われる半導体である。多数の計算を同時に進められるため、AIの学習や推論の計算にも使われる。

ハイレゾの強み|「海外クラウドへの依存」を解決

ハイレゾが「海外クラウドへの依存」を解決|現在は、国内の各地からGPUを提供|国内に持つ・GPU専用の拠点/廃校を転用し・拠点を設ける

国内にGPU専用の拠点を持つ

AIの計算を海外の大手クラウドに依存する面がある中で、国内にGPU専用の拠点を持つ動きがあります。

ハイレゾは、2019年に石川県志賀町で、GPU専用のデータセンターを開設しました。以降も、高松市で2024年12月、玄海町で2025年8月、綾川町で2026年3月に、データセンターを開設しています。国内の複数の拠点に、NVIDIA(GPUの設計企業)のGPUを置く構成です。高松市のデータセンターでは、2024年12月からAIスパコンクラウドのサービスを提供しています。そのため、国内の拠点から、AIに使うGPUの計算力を調達できます。

廃校を転用して拠点を設ける

GPUクラウドの運営では、GPUを動かす電力と冷却に運用費がかかります。

ハイレゾは、廃校や使われていない研究施設を、データセンターに転用しています。廃校を転用したのが玄海町と綾川町で、研究施設を転用したのが高松市です。綾川町の施設は、2022年に廃校となった旧綾上中学校の体育館下を改装し、校舎の教室部分は地域のコミュニティスペースにする計画があります。クラウドの設計から運用までを自社で担う垂直統合の形をとっているのが特徴です。新しい建物を建てなくても、既存の建物を活用して、国内に計算拠点を設けることができます。

FrontJournalの解説
  • 垂直統合設計から運用までの工程を、1つの企業が一貫して担う事業の形である。外部に任せる工程が少なく、品質や費用を自社で管理しやすい。

GPUクラウドの未来|AI計算基盤の整備

GPUクラウドが変える未来|AIの計算基盤を、大学や研究機関へ広げる|廃校転用で・GPU拠点を広げる/大学や研究機関へ・計算基盤を提供/計算力で・イノベーションへ

廃校転用でGPU拠点を広げる

ハイレゾは、廃校や使われていない研究施設を転用し、GPU専用のデータセンターを開設してきた企業です。2026年3月に開設した綾川町のデータセンターには、H100とA4000を設置しています。投資額は110億円です。

今後は、さらに高性能なGPUの設置も予定されています。高松市のデータセンターは、H200を設置した拠点です。「AIスパコンクラウド」は、H200を8基搭載した構成で、GPUメモリ1128GBを備え、LLM(大規模言語モデル)向けです。

大学や研究機関へ計算基盤を提供

2026年9月、ハイレゾは、国立情報学研究所の学術情報ネットワーク「SINET6」と、高松市のデータセンターを接続しました。接続には、NTTグループの次世代光ネットワーク「IOWN」の構成技術であるAPN(オールフォトニクス・ネットワーク)を使っています。対象は、全国の大学や研究機関です。GPUの計算リソースを、高速・大容量・低遅延で提供する体制の強化を目指しています。

計算力でイノベーションへ

ハイレゾは、公式サイトで「日本発の計算力で未来を切り拓く」ことを掲げています。2026年8月25日の「第1回 AI協創フォーラム」は、産学でAI戦略と地方創生を議論する場で、東京大学の江崎浩教授らが登壇しました。2026年9月2日には、林総務大臣が綾川町のデータセンターを視察しています。ハイレゾは、総務省の令和8年度「ワット・ビット連携関連実証」にも、参加企業として採択されています。

会社概要|ハイレゾの事業内容・設立背景

玄海町に本店を置く企業

ハイレゾは、2007年12月に設立されました。代表取締役は志倉喜幸で、本店は佐賀県玄海町、東京本社は新宿区にあります。GPU専用データセンターの開設は、2019年からです。2024年10月には、第三者割当増資で約12億円を調達し、融資を含む累計の調達額は約41億円になっています。

国の認定と受賞の実績

経済産業大臣は2024年4月、ハイレゾ香川による、香川県内のAI開発用GPU専用データセンターの事業を認定しました。事業の総投資額は約200億円で、NEDOの助成金77億円を受ける予定です。2022年には、NVIDIAのNPN Partner Award 2022で「Best CSP Partner of the Year」を受賞しています。2023年には、経済産業省の「行政との連携実績のあるスタートアップ100選」に掲載されました。

出資者と提供サービス

ハイレゾの株主には、TUSIC投資事業有限責任組合、豊田通商、九州電力などが並びます。サービスは、GPUSOROBANの名で、計算クラスターB200、AIスパコンクラウド、高速コンピューティング、リモートワークステーションを提供しています。画像生成AIをブラウザで使える「PICSOROBAN」も、同じ製品群です。

会社情報

会社名株式会社ハイレゾ
所在地東京都新宿区市谷田町3丁目24-1(東京本社)。本店は佐賀県東松浦郡玄海町諸浦106-1
設立2007年12月
代表代表取締役 志倉 喜幸
事業GPU専用データセンターの運営。GPUクラウドサービス「GPUSOROBAN」の提供
技術領域GPUクラウド。AIスパコンクラウド
採択経済産業大臣による事業の認定(ハイレゾ香川)。総務省 令和8年度ワット・ビット連携関連実証に採択
URLhttps://highreso.jp/

編集後記|FrontJournal編集部より

AIの利用が広がるほど、GPUという計算資源をどこから調達するかが、事業の条件になります。ハイレゾは、廃校などを転用したGPU専用のデータセンターから、その計算力を提供する企業です。国内のAI開発を、計算力の面から支える位置にあります。

ハイレゾの特徴は、設計から運用までを自社で担う垂直統合にあります。データセンターは、石川県、佐賀県、香川県と、地方に広がっています。大学や研究機関への接続が始まった点も、今後の手がかりです。

計算力の分野では、生成AIの基盤を支える企業が国内外にあります。GPUクラウドが、国内のAI開発の現場でどう使われていくのか、今後も注目していきます。

FrontJournal編集部

出典:経済産業省 大学発ベンチャーデータベース2026

本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。

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