市場課題|シリコン負極に残る、初回の損失と体積変化

初回充電でリチウムが失われる
シリコン負極は、最初の充電でリチウムの一部が電極表面の被膜(SEI膜)の形成に使われ、放電では戻らない不可逆容量が大きくなります。現在主流の黒鉛負極の、理論上は約10倍の容量を持つ材料ですが、この損失があります。そのため、容量の大きい材料を使っても、電池全体のエネルギー密度が伸びにくい状況です。
充放電で体積が大きく変化
シリコン負極は、充電でリチウムを取り込むと体積が大きく膨らみ、放電で縮みます。この体積変化によって電極の構造が壊れやすく、充放電を繰り返すと容量が下がりやすい点が弱点です。高い容量を求める用途では、容量と寿命の両立が難しい状況が続きます。
他にも、小型ドローンの飛行時間の短さ、正極材料のレアメタル依存、電池の製造コスト、といった課題があるといわれています。
- 不可逆容量充電で電極に入ったリチウムのうち、放電では取り出せずに残る分の容量である。値が大きいほど、電池で実際に使える容量は小さくなる。


