市場課題|重症脳損傷では、病態の悪化を早期に把握しにくい

画像と頭蓋内圧では把握が遅れる
重症の脳損傷では、診断の中心である画像検査と頭蓋内圧(頭蓋骨の内側にかかる圧力)の測定だけでは、病態の把握が遅れやすくなります。頭蓋内圧は、脳虚血(脳の血流が不足する状態)や低酸素、てんかん重積(発作が止まらない状態)といった二次性障害(最初の損傷のあとに広がる脳の障害)の結果として上がる指標です。そのため、圧が変わった時点では障害が進んでいる恐れがあります。
病態を迅速に診る機器が乏しい
二次性障害を迅速に診断する機器は、ベッドサイドでは乏しい状況です。そのため神経集中治療医(脳の重症患者を診る集中治療医)は、画像や頭蓋内圧に変化が出るまで、経験をもとに治療を進めることになります。その結果、二次性障害で起きる脳浮腫(脳が腫れる状態)が進み、死亡や寝たきりに至る例を防ぎにくい状況が続くといわれています。
他にも、脳波の判読が経験に左右される点、全身冷却の負担が大きい点、脳だけの冷却が実用化の途上にある点、といった課題があるといわれています。
- 頭蓋内圧頭蓋骨の内側にある脳や血液、脳脊髄液にかかる圧力を指す。脳の腫れや出血で上昇し、重症の脳損傷では診断や治療の判断材料になる。


