PREVENT「重症化予防支援」を開発

株式会社PREVENT(プリベント)

PREVENT「重症化予防支援」を開発|市場課題=生活習慣病の・重症化を予防/強み=データと面談で・習慣を改善/未来=健保組合から・企業へ展開

企業紹介|株式会社PREVENTとは?

高血圧や糖尿病などの生活習慣病が、脳梗塞や心筋梗塞へ進むのを防ぐ取り組みとして、保健事業で重視される「重症化予防」。株式会社PREVENTは、その社会実装を目指す、名古屋大学発のヘルスケア系ディープテック企業です。同社は、医療データ解析「Myscope」と生活習慣改善支援「Mystar」を提供し、約190の健康保険組合と契約しています(2025年9月時点)。

キーワード「重症化予防」

重症化予防は、高血圧や糖尿病などの生活習慣病が悪化し、脳梗塞や心筋梗塞などの重い病気へ進むのを防ぐ取り組みです。保健事業では、健康診断の結果やレセプトをもとに対象者を選び、保健指導などの支援につなげます。治療を受けている人も対象で、日々の生活習慣の見直しが欠かせません。

市場課題|治療中の生活習慣病が悪化する

現状の重症化予防の課題|対象者を絞りにくく習慣も変わりにくい|高リスク者を・絞り込みにくい/治療中も・習慣が変わりにくい

高リスク者を絞り込みにくい

健康保険組合や自治体にとって、加入者の中から重症化しやすい人を絞り込むのは簡単ではありません。レセプト(医療機関が健康保険に請求する診療報酬の明細書)と健診結果を組み合わせて見る必要があるうえ、個人の状態は、年齢や検査値、受診歴などが重なり合うため、基準を一つに決めにくいのが実情です。絞り込めないままでは、支援が本当に必要な人へ届きにくくなります。

治療中も習慣が変わりにくい

病院で治療を受けていても、食事や運動、睡眠などの習慣は、日常の中で本人に委ねられます。診察と診察の間は、医療者が生活の様子を把握しにくい状況です。習慣が変わらないまま時間が過ぎると、病状の悪化を防ぎにくくなります。

他にも、受診が必要な人が受診につながりにくいこと、保健事業(加入者の健康づくりや病気予防の取り組み)の効果を数字で示しにくいこと、平均寿命と健康寿命の差が続いていること、といった課題があるといわれています。

FrontJournalの解説
  • 重症化予防高血圧や糖尿病などの生活習慣病が悪化し、脳梗塞や心筋梗塞などの重い病気へ進むのを防ぐ取り組みを指す。生活習慣の改善と適切な受診で、悪化の芽を減らす。

PREVENTの強み|「重症化予防支援」を開発

PREVENTが「重症化予防支援」を開発|現在は、データと面談で重症化予防を提供|約100万人分の・データで分析/2週間ごとの面談で・習慣を改善

約100万人分のデータで分析

同社が分析に使うのは、約100万人分のレセプトと健診のデータです。

同社の「Myscope」は、健康保険組合や自治体向けに提供する、医療データの解析サービスです。脳梗塞や心筋梗塞の発症率を予測するアルゴリズムで、加入者の重症化リスクを8段階に層別化(リスクの高さでグループ分け)します。保健事業の成果を医療費適正化効果の推計で評価できる点も、同サービスの特徴です。健康保険組合や自治体は、リスクの高い人から優先順位をつけて、保健指導などの支援を早めに検討できるようになります。

2週間ごとの面談で習慣を改善

同社は、人による面談を、習慣改善の中心に置いています。

同社の「Mystar」は、治療中の人を対象に、6か月間にわたる生活習慣改善を支えるためのサービスです。専用アプリとモニタリング機器で、脈拍や歩数、睡眠、塩分の摂取量を記録し、その内容を面談での確認に役立てます。心臓リハビリテーション指導士や糖尿病療養指導士などの専門職が、2週間に1回の電話面談で状況を確認し、助言する体制です。対応する疾患には、高血圧、糖尿病、脂質異常症、脳血管疾患、虚血性心疾患があります。

FrontJournalの解説
  • 層別化対象者を、リスクの高さなどの基準でいくつかのグループに分けることを指す。優先して支援する人を決める際に使う。

重症化予防の未来|健保組合・自治体・企業への応用

重症化予防が変える未来|健保組合や自治体から企業へ|健保組合と自治体の・保健事業へ/企業の・健康経営にも広がる/多様な健康課題の・解決を目指す

健保組合と自治体の保健事業へ

健康保険組合との契約は、約190組合(2025年9月時点)です。自治体の導入事例には、三重県いなべ市があります。健康保険組合では、ダスキン健康保険組合や日本事務器健康保険組合が導入しています。

企業の健康経営にも広がる

企業向けには、SaniQaraを提供しています。SaniQaraは、腰痛や肩こりが働く人の労働生産性に与える影響を、アンケートで調べるサービスです。同社はその結果をレポートにまとめ、セミナーやアドバイス会で改善につなげます。健康経営(従業員の健康を経営の課題として取り組む考え方)の現場で、健康課題を数字で捉える選択肢が加わります。

多様な健康課題の解決を目指す

同社は、生活習慣病の重症化予防にとどまらず、SaniQaraで働く世代の健康課題にも対象を広げています。SaniQaraでは、理学療法士が1対1で行うアドバイス会が、事前アンケートやAI姿勢分析の結果をもとにした運動指導の場です。腰痛や肩こりは、労働生産性を落とす要因として位置づけられています。

会社概要|PREVENTの事業内容・設立背景

理学療法士の問題意識から創業

代表取締役の萩原悠太は、理学療法士として臨床に携わり、重症化後の治療が難しい点を実感しました。この問題意識から、2016年7月15日に株式会社PREVENTを設立しています。萩原は、名古屋大学で予防医療を学んでいます。生活習慣改善支援の「Mystar」は、2018年8月にリリースされました。同社の事業は、医療データ解析と生活習慣病の重症化予防支援です。

住友生命グループに参画

2023年12月に住友生命グループに参画しました。現在の株主は、住友生命保険相互会社(100%)です。これに先立つ2021年8月には、住友生命のコーポレートベンチャーキャピタルであるSUMISEI INNOVATION FUNDから出資を受け、業務提携を結んでいます。萩原代表は、経済産業省が主催するジャパンヘルスケアビジネスコンテスト2018で優秀賞を受けています。

名古屋市東区に本社を置く

同社の本社は、愛知県名古屋市東区葵一丁目のIKKO新栄ビル9階にあります。資本金は1億円です。自社の研究部門として、Insight Labを設けています。

会社情報

会社名株式会社PREVENT
所在地〒461-0004 愛知県名古屋市東区葵1-26-12 IKKO新栄ビル9F
設立2016年7月15日
代表代表取締役 萩原 悠太
資本金1億円
事業医療データ解析、生活習慣病の重症化予防支援事業
技術領域Myscope(重症化リスクの層別化)、Mystar(生活習慣改善支援)、SaniQara(腰痛・肩こりの労働生産性調査)
URLhttps://prevent.co.jp/

編集後記|FrontJournal編集部より

生活習慣病は、自覚症状が乏しいまま進み、ある日突然、脳梗塞や心筋梗塞として表に出ることがあります。健診で数値が高いと指摘されても、日々の習慣を変え続けるのは簡単ではありません。治療中の人を2週間に1回の面談で見守る発想が目を引きます。

株式会社PREVENTは、約100万人分のデータによるリスクの層別化と、治療中の人を支える生活習慣改善支援の両方を、健康保険組合や自治体に提供している企業です。この組み合わせは、保健事業を設計する際の選択肢になります。保健事業の成果を、医療費の推計で評価できる点も特徴です。

企業向けには腰痛や肩こりを調べるSaniQaraがありますが、重症化を防ぐ支援が健康保険組合の事業として根づけば、医療の負担を考える材料になります。同社のこれからの歩みは、注目したい取り組みです。

FrontJournal編集部

出典:経済産業省 大学発ベンチャーデータベース2026

出典:「Gビズインフォ」(経済産業省)(2026年9月28日に利用)を加工して作成

本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。

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