Yume Cloud Japan「音声ストレス測定」を開発

株式会社Yume Cloud Japan(ユメクラウドジャパン)

Yume Cloud Japan「音声ストレス測定」を開発

企業紹介|株式会社Yume Cloud Japanとは?

朗読した声からストレスの状態を調べる技術、「音声ストレス測定」。株式会社Yume Cloud Japanは、その社会実装を目指す、AI系ディープテック企業です。朗読音声を使うストレス測定サービス「マインドスケール」を、企業や自治体へ提供しています。

キーワード「音声ストレス測定」

「音声ストレス測定」は、朗読した声と質問への回答から、脳の疲労度や自律神経(心拍や体温などを無意識に調節する神経)のバランスを推定する手法です。特徴は、スマートフォンだけで約30秒の測定ができる点にあります。職場で従業員がその日のコンディションを、短時間で確認できます。

市場課題|ストレスの状態は、自覚だけでは捉えにくい

現状のストレス測定の課題

自覚だけでは疲れを把握しにくい

ストレスの状態は、本人の自覚だけでは、把握しにくいことがあります。ストレスチェックは、2015年から労働安全衛生法により事業者に実施が義務付けられており、労働者数50人未満の事業場にも義務化されるのは、厚生労働省によると令和10年4月1日からです。自己回答式のチェックツールでは、メンタルヘルス関連のリスクが見逃されることもあるといわれています。

自律神経の測定に機器が必要

自律神経の状態を数値で把握するには、従来は心拍や脈波といった生体データの測定が必要でした。測定には専用の測定器を要する方式もあり、手軽に実施しにくい面があります。そのため、日々続けて測るには、手間がかかります。

他にも、アンケートが中心の実証試験で数値にしにくい心身の状態、運輸業で懸念される高齢者による事故、コンディションに応じた練習プログラムを作成する難しさ、といった課題があるといわれています。

FrontJournalの解説
  • 自律神経心臓の拍動や体温、消化などを無意識のうちに調節する神経を指す。活動時に働く交感神経と、休息時に働く副交感神経から成り、両者のバランスはストレスの状態と関わるといわれる。

Yume Cloud Japanの強み|「音声ストレス測定」を開発

Yume Cloud Japanが「音声ストレス測定」を開発

朗読の声から脳疲労を推定

従来の自己回答式のストレスチェックでは、本人が自覚していない状態は、見逃されることがありました。

同社の「マインドスケール」は、約30秒の朗読音声と質問への入力から、脳疲労度と自律神経バランスを推定するサービスです。測定の基には、これまでに蓄積した30万件以上の測定データを使った機械学習があります。結果は243パターンの状態分析として示され、職種や働く環境、利用シーンも踏まえた助言も表示される仕組みです。同社サイトでは、感覚で判断していたコンディションを、生体データから客観的に可視化するとされています。自覚していない疲れの状態を、推定値として把握できるようになります。

スマホだけで約30秒の測定

従来は、自律神経の測定に専用の脈波測定器が必要な方式もありました。

マインドスケールは、30万件以上の測定データを使った機械学習により、朗読と自覚データから自律神経バランスと脳疲労度を推定します。必要なのは、約30秒の朗読音声と質問への入力です。同社のプレスリリースでは、把握が難しい日々の状態変化を、スマートフォンのみで簡便に測定できることが特徴とされています。診断で終わらず、改善につながる具体的な行動まで導く点も、同社サイトが挙げる特徴です。日々の状態の変化を、続けて確認できるようになります。

FrontJournalの解説
  • 脳疲労度マインドスケールが、約30秒の朗読音声から自律神経バランスとともに分析する指標の名称。同社は、短い朗読と質問への入力で分析するとしている。

音声ストレス測定の未来|文化施設・運輸・スポーツへの応用

音声ストレス測定が変える未来

美術館での実証実験に活用

2025年10月20日には、東京・上野の国立西洋美術館で「博物館浴」のパイロット実証実験が行われ、マインドスケールが使われました。「博物館浴」は、作品鑑賞を通じた心身の健康促進を目的とする取り組みです。九州産業大学の緒方泉特任教授が提唱しています。これとは別に、全国の文化施設での実証(10回)では、322名を対象とした調査が実施されています。

運輸やスポーツ向けに展開

マインドスケールは、運輸業やスポーツの分野向けの専用プランも用意するサービスです。ドライバー向けは、ストレスを含む現在の状態と対処法を表示するプランで、月ごとにデータを集計したレポートも提供されます。運輸事業の課題とされる、高齢者による事故とドライバーの人手不足に向け、蓄積疲労の分析や危険な場合のアラートが機能として挙げられています。アスリート向けの機能は、ストレス状態を考慮した練習プログラムの作成と、怪我につながる状態の事前把握です。

働く人の状態改善を目指す

同社は、働く人々の心身の健康維持と生産性向上への貢献を目指しています。2026年6月には、山形大学Well-Being研究所と共同研究を始めました。テーマは、収集データの分析と有効性の検証、個人の状態に応じた改善プログラムの開発、文化・スポーツ・観光体験の効果の可視化の3つです。改善プログラムの開発では、様々な職種の従業員を対象に、業務前後の状態を測定し、ストレス軽減や生産性への効果も検証します。

会社概要|Yume Cloud Japanの事業内容・設立背景

山形大学の招致で設立

同社は、2019年1月31日に、山形大学の招致により設立されました。代表取締役の吉田大輔氏は、富士通で半導体部門のアジアビジネスの開拓などを担い、2014年に米国シリコンバレーでYume Cloud Incを設立しました。2022年には、Yume Cloud Incから同社へビジネスが移管されています。同社は、山形大学や東北大学とともに、ストレスの可視化についての研究に取り組んでいます。

採択と大学との共同研究

2019年には、産学開発事業の「感情表現エンジン」が、戦略的基盤技術高度化支援事業に採択されました。共同研究者には、山形大学の横山道央教授(AIビッグデータ解析)と福井医療大学の塩見格一教授(脳覚醒アルゴリズム)がおり、山形大学の今田恒夫教授が医学検証を担います。2026年6月には、山形大学Well-Being研究所との共同研究が始まりました。九州産業大学とも、共同研究契約を結んでいます。

導入実績と補助金

2024年12月2日には、厚生労働省のストレスチェック(57項目・80項目)とマインドスケールをセットで利用できる、一般提供を始めました。中小企業庁の事業再構築補助金(第六回)では、交付申請等として2,000万円が、国の法人情報サイトGビズインフォに記載されています。

会社情報

会社名株式会社Yume Cloud Japan
所在地山形県米沢市アルカディア1丁目808番46 山形大学有機材料システム事業創出センター内
設立2019年1月31日
代表代表取締役 吉田大輔
事業「マインドスケール」の開発と販売、メンタルサポートに関するコンサルティング、IoT製品の開発と販売
技術領域音声解析、機械学習によるストレス状態の推定
連携山形大学、東北大学、福井医療大学、山形大学Well-Being研究所(2026年6月)、九州産業大学
採択戦略的基盤技術高度化支援事業(2019年)
URLhttps://www.yume-cloud.co.jp/

編集後記|FrontJournal編集部より

自分の疲れの度合いは、自覚だけでは測りにくいものです。Yume Cloud Japanの取り組みは、朗読した声から脳の疲労度や自律神経の状態を推定する点が特徴です。自覚だけでは捉えにくい状態を、推定して示すサービスを、企業や自治体へ提供しています。

30秒の朗読で状態を推定できる手軽さは、ストレスチェックの対象が広がる中で、職場や地域に取り入れやすい選択肢になると考えます。大学との共同研究で検証が進み、日々のコンディションを見つめる習慣が、ごく自然に広がる日を楽しみにしています。

FrontJournal編集部

出典:経済産業省 大学発ベンチャーデータベース2026

出典:「Gビズインフォ」(経済産業省)(2026年9月28日に利用)を加工して作成

本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。

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