FieldWorks「薬剤散布ロボット」を開発|畝の間を走って薬剤を散布するロボットを描いたイラスト

株式会社FieldWorks(フィールドワークス)

FieldWorks「薬剤散布ロボット」を開発|研究領域=畝の間を走って・薬剤を散布/強み=ラジコンで・離れて操作/将来性=完全自動の・除草を目指す

企業紹介|株式会社FieldWorks(フィールドワークス)とは?

畝の間を走って、除草や防除(病害虫を防ぐ薬剤の散布)を行う農業用ロボットとして、開発が進む「薬剤散布ロボット」。株式会社FieldWorksは、その社会実装を目指すロボティクス系ディープテック企業で、大学発ベンチャーデータベースには筑波大学が記載されています。ラジコン操作の4輪型ロボット「ウネマキ」を開発し、農家向けに販売とレンタルを行っています。

キーワード「薬剤散布ロボット」

「薬剤散布ロボット」は、除草剤や防除薬剤を、機体に載せて畑で散布する機械です。従来は、動噴(動力噴霧機)を背負うか手で持ち、作業者が歩きながら散布していました。同社は、公式サイトで「免許不要のラジコン」と案内する、離れて操作できる機体として、この仕組みの実用化に取り組んでいます。

市場課題|背負う散布作業の負担を減らす機械が求められている

現状の薬剤散布の課題|現状は、背負う作業の負担が大きく担い手も減っている|背負う散布作業の・負担が大きい/人手不足と・高齢化が進む

背負う散布作業の負担

背負う散布作業は、散布ムラが出やすく、暑い時期は任せにくい、負担の大きい作業です。畑では、畝(作物を植えるために土を盛り上げた列)の間に入り、除草剤や防除薬剤を散布する作業が、作物を育てる間にたびたび必要です。現状は、20Lの動噴を背負い、作業者が歩きながらノズルを向けるため、力のある人が担当することになります。

人手不足と高齢化の進行

農林水産省の農林業センサスでは、基幹的農業従事者(自営農業を主な仕事とする世帯員)は、2020年の136.3万人から2025年の103.6万人へと減りました。2025年は、そのうち72.1万人が65歳以上で、平均年齢は67.7歳です。畝間の散布のように、体力と時間が必要な作業を担う人手の確保が、難しくなる状況です。

他にも、薬液の使いすぎ、散布中に薬液がかかるリスク、除草と防除にかかる作業時間、といった課題があるといわれています。

FrontJournalの解説
  • 動噴エンジンやモーターの力で薬液を加圧し、ホースとノズルから霧状に散布する機械を指す。農薬の散布で広く使われ、背負い式は薬液の重さを作業者が担う。

FieldWorksの強み|「薬剤散布ロボット」を開発

FieldWorksが「薬剤散布ロボット」を開発|現在は、ラジコン操作で除草と防除を提供|ラジコンで・離れて散布/畝間に入る・小型の機体

ラジコンで遠隔散布

背負い式の散布は、作業者が薬液の重さを担い、散布ムラも出やすい作業です。

同社は、ラジコン式の薬剤散布ロボット「ウネマキ」を、畝の間で使う機械として開発しています。4輪駆動の機体で、手元のコントローラーを使い、畝間を走る機体を最大70m先まで離れて操作できます。背負って歩く必要がなく、作業者に薬液がかかるリスクも抑えた設計です。走行は最大4km/hで、取り付けたノズルは散布幅・高さ・角度を調整できる仕様です。暑い時期の散布も1人で行えるため、作業者の体への負担は軽くなります。

畝間に入る小型の機体

畝の間は幅が狭く、大きな機械では入りにくい場所です。

ウネマキは、4WD(4輪駆動)の機体で、タンクが23Lと46Lのものから選べます。23L機は、畝の通路幅が36cm以上あれば畝間を走行できます。ヤマホ製のノズルを付け替えれば、1台で除草と防除の両方に対応する構成です。電動工具用のバッテリーをそのまま使えるため、専用の電源を別に用意する手間も省けます。1時間に最大で、除草は13a(約1,300㎡)、防除は20a(約2,000㎡)を散布でき、作業時間の短縮につながります。

FrontJournalの解説
  • 畝間作物を植える畝と畝の間の通路を指す。除草や防除、収穫の際に作業者が歩く場所で、23L機のウネマキは幅36cm以上のこの通路を走行して作業する。

薬剤散布ロボットの未来|レンタルで試せる導入から、完全自動の除草へ

畝間作業が変える未来|試せる導入から、自動化へ広げる|レンタルで・購入の前に試せる/親機と子機で・自動除草を開発/畝間作業の・自動化を目指す

レンタルで試せる導入

同社は、2026年3月17日からレンタルの提供を開始しました。ウネマキは宅配で届き、購入の前に1か月以上の利用期間で試せます。2025年9月には、同年12月1日の発売が発表されました。2025年10月から12月は、無料の先行体験の期間でした。2026年2月には、新潟市で開催された展示会「AGRI EXPO新潟」に出展した実績もあります。

親子式ウネカル

親機と子機が連携する完全自動の除草システム「親子式ウネカル」は、農林水産省の令和6年度補正予算「スマート農業技術の開発・供給に関する事業」に採択されたと、同社が2025年7月22日に発表しました。同社は代表機関を務め、農社とアイアグリファーム守谷が共同研究機関、長岡技術科学大学と神戸大学が研究支援者として加わります。量産モデルの提供開始は、2027年の予定です。畝間対応の小型草刈ロボット「ウネカル」は、後継機の開発のため販売を休止しています。同社は販売再開を2028年に予定しています(2026年7月14日現在)。

畝間作業の自動化へ

同社は、「ロボットと共にある新しい農業をつくる」ことを掲げています。長岡高専時代に出会った仲間と、約10年にわたりロボコン(ロボットコンテスト)に関わった経験が、農業用ロボットの開発の土台です。ウネマキは、除草と防除に加え、コンテナを載せて動力付きの台車として使う用途にも対応します。

会社概要|株式会社FieldWorks(フィールドワークス)の事業内容・設立背景

設立と創業の背景

株式会社FieldWorksは、2023年6月15日に設立され、山岸開氏が代表取締役を務めています。創業メンバーは、長岡高専時代に出会い、約10年間ロボコンに関わってきた仲間たちです。本店は新潟県長岡市のながおか新産業創造センターにあり、本社は茨城県つくば市です。開発のきっかけは、九州のさつまいも農家が語った「除草作業を楽にしたい」という一言でした。経済産業省の大学発ベンチャーデータベースには、関連大学として筑波大学と長岡技術科学大学が記載されています。

畝間に入る2つの製品

同社の製品は、薬剤散布ロボットのウネマキと、畝間対応の小型草刈ロボットのウネカルです。ウネカルは現在、販売休止中です。ウネマキは、トレッド(左右の車輪の間隔)を36cm・44cm・52cmから選べます。防除では、静電噴口(薬液に電気を帯びさせて付着しやすくするノズル)などを選択できます。ホースを引いて使うオプションは、100m程度まで対応する仕様です。

選出と連携の実績

同社は2025年11月に、新潟県の「J-Startup NIIGATA」に選出されました。2026年3月には、首相官邸の公式YouTube動画「KOSEN: Driving Japan's Future Innovation」で、高専発ベンチャーの一例として紹介されました。親子式ウネカルの開発では、農社・アイアグリファーム守谷・アイアグリなどと連携しています。

会社情報

会社名株式会社FieldWorks(フィールドワークス)
所在地〒940-2135 新潟県長岡市深沢町2085-16 ながおか新産業創造センター ルーム8(本店)。本社は茨城県つくば市
設立2023年6月15日
資本金13,000,075円
事業農業用ロボットの開発・製造・販売
技術領域薬剤散布ロボット、小型草刈ロボット、完全自動の除草システム
連携筑波大学・長岡技術科学大学(大学発ベンチャーデータベースに記載)。農社・アイアグリファーム守谷・アイアグリ(親子式ウネカル)
採択農林水産省 令和6年度補正予算「スマート農業技術の開発・供給に関する事業」(採択を同社が2025年7月22日に発表)。J-Startup NIIGATA(2025年11月)
URLhttps://www.fieldwork-s.com/

編集後記|FrontJournal編集部より

農家の「除草作業を楽にしたい」という一言から、ロボット開発が始まった点に引きつけられました。背負って歩く散布作業は、誰もが担い手になれるわけではなく、暑い時期は特に負担が大きい仕事です。同社は、その課題に、機械の側から応えようとしています。

印象に残ったのは、ラジコンで離れて操作でき、レンタルで試せる導入の入口を用意している点です。長岡高専の仲間が、ロボコンの経験を畑の作業に生かしている背景も、同社の持ち味だと感じました。電動工具用のバッテリーを使えるなど、現場の道具に合わせた設計も、同社の特徴です。

親子式ウネカルのような完全自動の除草が、畝間の作業をどこまで変えるのか、これからの展開に注目しています。

FrontJournal編集部

出典:経済産業省 大学発ベンチャーデータベース2026

出典:「Gビズインフォ」(経済産業省)(2026年9月28日に利用)を加工して作成

本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。

この企業の方へ

内容に誤り・更新が必要な点があれば、可能な限り速やかに修正します。お気づきの点はお問い合わせまでご連絡ください。

掲載情報の修正・写真の追加・更新はこちら

この企業について、
もっと深く知りたい方へ

パートナーシップ・お問い合わせはこちらから。