ラクウェブ|新潟大学発の「モダンWeb開発」を開発する企業

株式会社ラクウェブ

ラクウェブ「モダンWeb開発」を開発|研究領域=画面を部品で作るWebの手法/強み=ページを事前に作り配信する構成/将来性=学内の拠点で起業と就活を支える

企業紹介|ラクウェブとは?

プログラムの誤りを早い段階で見つけやすく、ページを事前に作っておくWebの手法、「モダンWeb開発」。株式会社ラクウェブは、その手法でWebサイトやシステムを開発する、新潟大学発のWeb開発企業です。企業や行政、大学からWebサイト制作やWebシステム開発を受託し、新潟大学の中ではシェアオフィスやカフェも運営しています。

キーワード「モダンWeb開発」

モダンWeb開発は、ReactやTypeScriptなどの技術で、利用者が目にする画面側のプログラムを作る手法です。ページを事前に作っておく構成や、画面を部品の組み合わせで作る仕組みを取り入れ、閲覧のたびにページを組み立てる従来の方式と区別されます。誤りの見つけやすさや保守のしやすさを高めることが目的とされます。

市場課題|IT人材が足りず、Webの開発と運用が企業の負担に

現状のWeb開発の課題|現状は、IT人材が足りずWebの開発と運用が負担に/IT人材が量も質も不足/毎回ページを作ると管理が重い

IT人材が量も質も不足

多くの企業が、デジタル化を担うIT人材の不足を感じています。2019年度のIPA(情報処理推進機構)の調査では、IT人材の量が「大幅に不足」「やや不足」と答えたユーザー企業が合計89.0%、質でも合計90.5%に達しました。人材の確保が進まなければ、Webを使った事業のデジタル化が遅れる恐れがあります。

毎回ページを作ると管理が重い

閲覧のたびにサーバーがページを組み立てる方式では、サーバー管理に費用と手間がかかります。サーバーが止まらずに動き続ける必要があるため、構成が複雑になり、障害や攻撃のリスクも抱えます。専門の人材が少ない企業では、この管理を続けることが重い負担になりかねません。

他にも、画面の大きさが異なる端末への対応、検索結果で上位に表示させる対策、公開後の利用状況の分析、といった課題があるといわれています。

FrontJournalの解説
  • IT人材情報システムの企画・開発・運用などを担う人材を指す。IT企業だけでなく、ITを利用する一般の企業(ユーザー企業)にも配置されており、企業のデジタル化を進めるうえで欠かせない存在である。

ラクウェブの強み|「モダンWeb開発」を開発

ラクウェブが「モダンWeb開発」を開発|現在は、ページ事前生成のWeb制作を提供/型で誤りを早く見つける/ページを事前に生成して配信

型で誤りを早く見つける

JavaScript(Webページを動かすプログラミング言語)には値の種類(型)を書き表す仕組みがなく、書き間違いに気づくのがプログラムを動かした後になりやすい弱点があります。

同社は、TypeScript(JavaScriptに型の記述を加えた言語)とReact(画面を部品の組み合わせで作るライブラリ)を基本に、Webサイト制作やWebアプリケーション開発を行っています。型を書いておけば、エディタ(プログラムを書くソフト)の段階で誤りを見つけられる仕組みです。フレームワーク(開発の土台となる枠組み)にはNext.jsを使っています。同社はデザインから構築まで自社で行うため、IT人材が少ない企業や行政、大学でも、負担を抑えて、Webサイトやアプリを持ちやすくなります。

ページを事前に生成して配信

閲覧のたびにページを組み立てる方式では、その都度サーバーでの処理が必要になり、サーバーを止めずに管理し続けなければなりません。

同社はWebサイト制作の料金表を、WordPressではなくJamstack(ページを事前に生成して配信する構成)で制作する場合の価格で示しています。Jamstackでは、公開前のビルド(組み立て作業)でページを作っておき、CDN(配信用のサーバー網)から閲覧者へ直接届ける仕組みです。お問い合わせなどの機能は、API(外部のサービスを呼び出す窓口)を通じて補います。ページを組み立てる工程が閲覧時になくなるため、一般にサーバーの管理にかかる費用や手間を減らせるとされます。

FrontJournalの解説
  • JamstackJavaScript、API、Markup(HTML)を組み合わせたWebサイトの構成方法である。ページを事前に生成して配信し、動的な機能はAPIで補うため、サーバーの費用や複雑さを減らせるとされる。

未来|新潟大学の中から、学生と企業、地域をWebでつなぐ

大学発のモダンWeb開発が変える未来|大学の中から、学生と企業、地域をつなぐ/学内で起業の拠点を運営/学生と企業の接点を増やす/Webで挑む地方の集団を目指す

学内で起業の拠点を運営

同社は新潟大学の中で、学生や教職員が起業して事業を営めるシェアオフィス「RESIDENCE」を運営しています。施設は新潟大学産学連携共同研究棟の1階にあり、ミーティングルームや高速のWi-Fiを備えた、契約者が24時間利用できる作業場所です。この施設ではこれまでに10社の企業が誕生しています。授業や研究で生まれた着想を、学内にいながら事業として試せる環境です。

学生と企業の接点を増やす

2026年5月、同社は新潟大学の学生に向けた就活・求人情報のWebメディア「FORJOB」を公開しました。企業紹介や就活コラム、インターンの情報を載せ、随時更新していく計画です。2026年の夏には、学生向けのキャリアイベントや、ダイニチ工業と組んだ自己分析のワークショップを開催しました。学生が学内にいながら地元の企業を知り、企業が将来の仲間と出会える場にすることを目指しています。

Webで挑む地方の集団を目指す

同社は、Webを武器に地方から挑戦を続けるクリエイティブ集団を目指しています。新潟県佐渡市では、両津港に直結したコワーキングスペース「SADO PORT LOUNGE」を運営し、両津湊には営業所も置いています。どこにいてもオンラインで仕事ができる今こそWebで勝負する価値がある、という考えが同社の行動の土台です。Webの技術を身につけて働ける場が地方に増えれば、首都圏に出なくても、地域でWebの仕事に就く道が広がる可能性があります。

会社概要|株式会社ラクウェブ

歯学部の学生が在学中に創業

ラクウェブは新潟大学発のスタートアップで、新潟大学歯学部の学生だった大塩優多氏が在学中の2020年2月20日に設立しました。大塩氏は設立にあたり、経済学部の伊藤准教授からベンチャリング(新しい事業を起こすこと)の指導を受けています。同社は創業以来、「ラクにウェブ」を提供する方法を考えながら、モダンWebの技術を使った開発を続けてきました。現在は熊澤隼斗氏が代表取締役を務めています。

新潟大学発ベンチャーに認定

同社は2022年11月22日、新潟大学の「新潟大学発ベンチャー称号認定制度」で第5号の認定を受けました。このうち、学生(卒業生を含む)が設立した企業の認定としては、第2号にあたります。同社は新潟大学の中に本社を置き、学内のサテライトオフィス(本拠とは別に設ける小さな事務所)兼コワーキングスペース「NOT THE UNIVERSITY」を設けて運営しています。サイクルボール(自転車に乗って行う球技)やeスポーツの大会への協賛など、地域の催しにも関わってきました。

Webと人材と場所で事業展開

同社の事業は、Webシステム開発やWebサイト制作を担うWEB部門を軸に、求人広告やイベント運営を担うHR部門、オフィスや賃貸物件、カフェを運営するPLACE部門から成ります。HR部門は、有料職業紹介事業(求職者と企業の間に立ち、雇用を仲介する事業)の許可を得た部門です。PLACE部門では、新潟大学の中央図書館にある「CAFE & DELI」で、栄養バランスを意識した健康食を提供しています。Webで培った技術と、人が集まる場所の運営を組み合わせる点が、同社の事業の特色です。

会社情報

会社名株式会社ラクウェブ(RAKUWEB Inc.)
所在地新潟県新潟市西区五十嵐2の町8050 新潟大学 NOT THE UNIVERSITY(本社)。新潟県佐渡市両津湊145番地(営業所)
設立2020年2月20日
代表代表取締役 熊澤隼斗。創業者 大塩優多(新潟大学歯学部の在学中に設立)
事業WEB部門(Webシステム開発・Webサイト制作)。HR部門(求人広告・イベント運営・有料職業紹介事業〈許可番号 15-ユ-300245〉)。PLACE部門(オフィス運営・賃貸物件運営・カフェ運営)。新潟大学内の「NOT THE UNIVERSITY」(RESIDENCE・CAFE & DELI・FORJOB)。佐渡市の「SADO PORT LOUNGE」
技術領域モダンWeb開発、React、TypeScript、Next.js、Redux、Recoil、Jamstack、AWS、GCP、GitHub、Docker
連携新潟大学(新潟大学発ベンチャー称号 第5号・2022年11月22日認定)
URLhttps://rakuweb.jp/

編集後記|FrontJournal編集部より

ラクウェブは、歯学部の学生が在学中に立ち上げたWebの会社で、今では大学の中にシェアオフィスやカフェを開き、学生と企業が出会う場まで運営しています。Web制作では、ReactやTypeScript、Jamstackといった技術を取り入れ、開発を続けています。同社の特色は、Webを作って終わりにせず、人が集まる場所の運営と組み合わせている点です。

大学の中の拠点では10社の企業が誕生し、佐渡の港にも働く場が設けられました。地方にいながらWebで事業を起こす道を、具体的な形で示そうとする取り組みといえます。新潟大学の中から始まった取り組みが、地域のIT人材の育成にどう結びつくのか、今後の展開に注目していきます。

FrontJournal編集部

出典:「Gビズインフォ」(経済産業省)(2026年9月30日に利用)を加工して作成

本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。

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