グッドアイ「サンゴ由来ミネラル」を研究|サンゴ由来の天然鉱石を溶かした化粧水入浴剤を描いたイラスト

株式会社グッドアイ

グッドアイ「サンゴ由来ミネラル」を研究|研究領域=化粧水入浴剤を・湯に溶かす/強み=肌細胞の応答で・配合を決める/将来性=入浴から顔の・ケアへ広がる

企業紹介|株式会社グッドアイとは?

乾燥した肌の保水力を高める素材として、注目を集める「サンゴ由来ミネラル」。株式会社グッドアイは、その社会実装を目指す、群馬大学発のヘルスケア系ディープテック企業です。化粧水入浴剤「サンゴライト」やフェイスパックを、全国の温浴施設や日用品売り場へ提供しています。

キーワード「サンゴ由来ミネラル」

「サンゴ由来ミネラル」は、数千万年前のサンゴが積み重なってできた天然鉱石に含まれる、カルシウムとマグネシウムを主体とする成分です。特徴は、粉末を湯に溶かすだけで全身の肌に行き渡る点にあります。入浴のたびに、肌の水分の蒸散(肌から水が逃げること)を抑える手当てを続けられます。

市場課題|肌の乾燥やかゆみの手当ては、毎日の塗布に頼り負担が大きい

現状のスキンケアの課題|現状は、保湿剤を塗り続ける手当てに頼っている|毎日の保湿剤の・塗布は負担/入浴剤のミネラル・配合は経験則

毎日の保湿剤の塗布は負担

乾燥した肌のかゆみを抑える手当ては、毎日続ける負担が大きくなります。アトピー性皮膚炎の治療では、皮膚のバリア機能(水分の蒸発と刺激の侵入を防ぐ働き)を補う保湿剤の外用(肌に塗って使うこと)が基本とされ、症状が落ち着いた後も塗り続けることが勧められています。塗る範囲が広いほど手間は増え、続けること自体が難しくなりがちです。

ミネラル配合は経験則に依存

入浴剤のミネラルの配合は、長く経験に頼って決められてきました。温泉や入浴剤に含まれるカルシウムやマグネシウムは種類と比率の幅が広く、どの組み合わせが肌細胞に働くかを示す根拠は乏しいといわれています。配合の手がかりが限られるため、使う人は自分に合うものを試しながら探すほかありません。

他にも、粉末の溶け残りという扱いにくさ、香料や着色料による肌への刺激の心配、毎日続けるための価格の折り合い、といった課題があるといわれています。

FrontJournalの解説
  • 皮膚のバリア機能角質層が水分の蒸発を抑え、外からの刺激や異物の侵入を防ぐ働きを指す。この働きが落ちると水分が逃げて乾燥し、かゆみや炎症が起こりやすくなる。

グッドアイの強み|「サンゴ由来ミネラル」を研究

グッドアイが「サンゴ由来ミネラル」を研究|今後は、根拠のある配合を選ぶことが可能に|入浴で全身の・保水力を高める/細胞が応答する・ミネラル比

入浴で全身の保水力を高める

保湿剤の外用は、塗った部位にしか届かず、毎日続ける手間が伴います。

原料の「サンゴライト」は、数千万年前のサンゴが積み重なってできた炭酸塩岩(炭酸カルシウムを主とする岩石)で、カルシウムとマグネシウムを多く含む素材です。これを浴槽一杯にあたる150リットルの湯に50グラム溶かして入浴すると、肌の保水力が高まります。アトピー性皮膚炎の患者13人が参加した臨床試験では、経表皮水分蒸散量(皮膚から蒸発する水分の量)と皮膚の重症度を示す値が、いずれも半分程度に減少したとの報告です。粉末を溶かすだけで成分が全身に行き渡るため、塗り残しを気にせず肌の手当てを続けられます。

細胞が応答するミネラル比

入浴剤のミネラルは、配合量を増やすほど効くとは限らず、比率によって肌への働きが変わります。

鍵になるのは、肌細胞の増殖能(細胞が数を増やす力)と遊走能(傷をふさぐ方向へ細胞が動く力)が活性化するミネラルバランスです。ヒトの肌細胞を使った実験で比率を変えながら応答を調べ、その組み合わせが特定されています。同社は、この比率に合わせて調整した入浴剤「サンゴライトバスソルトプラス」と、顔に塗れるようにしたクレイ入りのパックを開発しました。配合の根拠は、経験から細胞の応答へ移りました。同じ働きをねらった製品を毎回同じ設計でつくれるため、使う人は品質のばらつきを気にせず選べます。

FrontJournalの解説
  • 遊走能細胞が足場の上を移動する能力を指す。皮膚では傷口をふさぐ方向へ細胞が動くことで表面が覆われるため、この能力が高いほど損なわれた部分の修復が進みやすい。

サンゴ由来ミネラルの未来|温浴施設から日常のスキンケアへ

サンゴ由来ミネラルが変える未来|温浴施設から日常のスキンケアへ|温浴施設や店頭で・提供が拡大/顔のケアへ・用途が広がる/群馬大学の研究の・事業化を目指す

温浴施設や店頭で提供が拡大

「サンゴライト」は、温浴施設や店頭で扱われる商品として広がっています。2019年4月の湯楽の里伊勢崎店を皮切りに、道の駅「まえばし赤城」などが導入しました。全国で30を超える温浴施設に導入の実績があります。群馬県内のファミリーマートでは、2021年11月に80店で販売が始まり、2023年12月には新商品を108店で扱っています。

顔のケアへ用途が広がる

入浴だけでなく、顔に直接塗る製品も加わりました。「SANGOLITEフェイスパック」は、サンゴ由来の天然鉱石にクレイ(粘土)を合わせ、毛穴の汚れや角栓を吸着して落とす製品です。過剰な皮脂も吸着するため、テカリを抑えながらミネラルを補えます。湯船に入る時間がとれない日でも、顔に塗って洗い流すだけで同じ成分を肌に届けられます。

群馬大学の研究の事業化を目指す

同社が目指すのは、群馬大学の研究成果を製品として世に出すことです。手がける分野はスキンケアにとどまらず、間伐材(森林を手入れするために間引いた木)のウッドチップを混ぜたモルタルブロック「減CO₂ブロック」(木材が取り込んだ二酸化炭素を固めたまま保つ舗装材)や、コンニャクイモ由来のスフィンゴ脂質(細胞を包む膜を構成する脂質の一種)を配合したサプリメントにも広がっています。いずれも、大学の研究室で確かめた性質を日用品や社会基盤へ移す取り組みです。この道筋が整えば、地域の大学から生まれる技術が暮らしの場面で使われるようになります。

会社概要|株式会社グッドアイの事業内容・設立背景

群馬大学の研究室から創業

株式会社グッドアイは、2017年11月に群馬県桐生市の群馬大学桐生キャンパス内で設立されました。創業の中心となったのは、群馬大学大学院理工学府の板橋英之教授です。現在は同社の会長を務め、代表取締役は樋口慶郎氏です。

「サンゴライト」の研究は、研究室で草津温泉の温泉水を中和する実験の最中に、学生が手触りの変化に気づいたことから始まりました。会社の設立につながったのは、前年に同研究室の大学院生が「群馬イノベーションアワード2016」で「ウッドチップモルタル平板」を発表し、大賞を受けたことです。2017年7月には、平板を製造する機械の購入費を集めるクラウドファンディング「ハレブタイ」で、535人から約935万円が集まりました。

大学と企業の連携で製品化

同社は、大学と企業の連携で製品を生み出しています。「サンゴライト」は、大学院理工学府と大学院医学系研究科の共同研究で開発され、医学側は皮膚科学の茂木精一郎教授が担いました。2026年8月には、JR東日本群馬事業本部と共同で、駅ホーム端に敷く木質チップ入りの部材「笠石」を開発しました。八高線と上越線の2駅で試験導入が予定されています。2026年9月には、群馬大学・ヤクルト・東和銀行と共同で、サプリメント「W-Sphinx」の販売を始めました。

売上の一部を研究に還元

製品の売上の一部は、群馬大学の研究や学生支援に充てられています。販売は、自社オンラインストアと、温浴施設や小売店への法人向け販売が中心です。設立当初からの狙いは、国立大学の運営費交付金(国から配られる基盤的な経費)が減るなかで、事業の収益を基礎研究へ戻すことです。

会社情報

会社名株式会社グッドアイ(GUDi CO.,LTD.)
所在地〒376-8515 群馬県桐生市天神町1-5-1 群馬大学桐生キャンパス内
設立2017年11月
代表代表取締役:樋口 慶郎。会長・創業者:板橋 英之(群馬大学大学院理工学府 教授)
資本金268万5千円(2025年度時点)
従業員正社員5人(2025年度時点)
事業SANGOLITEスキンケアシリーズ、減CO₂ブロック、GUDアグリ・ぐっどまい、GUDシート、W-Sphinx配合サプリメントの開発・販売。教育事業
技術領域サンゴ由来の天然鉱石「サンゴライト」のミネラルバランス制御によるスキンケア。ウッドチップとモルタルの複合による環境配慮型舗装材
連携群馬大学大学院理工学府・大学院医学系研究科(サンゴライトの共同研究)。JR東日本群馬事業本部(駅ホーム用「笠石」/2026年8月)。群馬大学・ヤクルト・東和銀行(サプリメント「W-Sphinx」/2026年9月)
URLhttps://gudi.co.jp/

編集後記|FrontJournal編集部より

研究室の学生が口にした「手がスベスベになる」という一言が、製品の出発点になっています。温泉水を中和する実験の副産物に目を留めた観察の細かさに、素直に感心しました。日々の実験の傍らで見過ごされがちな手触りの変化が、商品につながりました。

面白いのは、そこで止まらずに肌細胞の応答まで踏み込んだ点です。単なる天然素材の入浴剤ではなく、比率で働きが変わる材料として扱い直したことで、配合に根拠が生まれました。偶然の気づきを、再現できる設計に変えたことが、この会社の特徴です。

桐生の研究室から生まれた素材が、毎日の湯船を手当ての時間に変えていく姿を楽しみにしています。

FrontJournal編集部

本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。

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