市場課題|免疫療法が効かない患者がいる

半数以上で効果が届かない
免疫チェックポイント阻害薬を受けた患者の半数以上は、併用療法でも効果が認められないと、国立がん研究センターが2025年2月に発表しました。この発表は、がんモデルマウスで、免疫チェックポイント阻害薬と自然免疫応答(生まれつき備わる免疫の初期反応)を活性化する薬剤を併用した研究に基づくものです。免疫を抑える細胞の活性化を防ぐことで、治療抵抗性を克服できる可能性が示されました。そのため、既存の治療では、恩恵を受けられない患者が残っています。
T細胞が少ないがんに効きにくい
T細胞が少ないがんは非炎症性がんと呼ばれ、免疫チェックポイント阻害薬が効きにくいとされています。同センターのマウスの研究では、免疫を抑える働きをもつ顆粒球系の細胞(PMN-MDSC)が、CD8陽性T細胞(がん細胞を攻撃する免疫細胞)の増殖を抑えることが示されました。T細胞以外の免疫細胞にも働きかける治療が、新たな選択肢になります。
他にも、既存の免疫療法に耐性をもつがん、化学療法に耐性をもつがん、薬剤耐性感染症、といった課題があるといわれています。
- 免疫チェックポイント阻害薬がん細胞が免疫にかけるブレーキを外し、T細胞の攻撃力を回復させる薬である。現在のがん免疫療法の中心的な薬の一つである。


