市場課題|腫瘍溶解性ウイルスは投与の経路に制約がある

静脈内投与は抗体で弱まる場合も
静脈内投与では、ウイルスの種類によっては体内の抗体で効果が弱まることがあります。例えば腫瘍溶解性の5型アデノウイルス(風邪などの原因にもなるウイルスの仲間)は、多くの人が抗体を持つため、抗体で効果が弱まる場合があるとされています。この点は、全身へ届ける使い方での課題です。
直接注入は届かない場所がある
直接注入は、投与できる場所に限りがあります。国内で初めて承認された「デリタクト」は、悪性神経膠腫の腫瘍の中へ直接注入する薬で、投与は6回までです。体の深くにある腫瘍や転移巣(別の場所へ広がったがん)には、針を届けにくい点が課題です。
他にも、がん以外の細胞へ作用する副作用(オフターゲット効果)、ウイルスの過剰な増殖や遺伝子発現(遺伝子からたんぱく質が合成されること)、がんへの免疫が長く続かない可能性、といった課題があるといわれています。
- 静脈内投与薬を静脈から血液中へ入れる方法を指す。血流に乗って全身へ運ばれるため、体の複数の場所にあるがんへ届けることができる。






