市場課題|有機ELの発光材料は電力と寿命が壁

希少金属の使用で材料費が高い
有機ELディスプレイの発光効率を支えてきたのは、イリジウムや白金を使うりん光材料です。これらの金属は産出地が限られ、価格も相場に左右されやすいため、材料費は下がりにくい構造にあります。スマートフォンからテレビ、車載パネルまで有機ELの採用が広がるほど、希少金属の調達は重い負担になっていくといわれています。
青色は効率と寿命の両立が難しい
有機ELの三原色のうち、青色に使われているのは効率の低い蛍光材料です。明るさを補うために発光層を重ねる必要があり、パネルの消費電力も高くなります。りん光材料など効率の高い方式へ置き換える動きもありますが、青色では素子の寿命が短くなりやすい点が課題として残ります。
他にも、発光層を重ねることで増える製造工程の負担、量産へ移すまでに要する材料の評価期間、パネルメーカーごとに異なる仕様への対応、といった課題があるといわれています。
- りん光材料イリジウムなどの金属を含み、電気エネルギーを高い効率で光に変える有機EL用の発光材料を指す。第2世代の材料と呼ばれる。
- 蛍光材料有機EL用の発光材料のうち最初に実用化された種類。電気エネルギーのうち光になる割合は低いが、TADF材料と組み合わせるとこの制約を補える。


