RJ’sリサーチ・アンド・アドバイザリー|新潟大学発の「経営アドバイザリー」を研究する企業

RJ’sリサーチ・アンド・アドバイザリー(アールジェイズ)

RJ’sリサーチ・アンド・アドバイザリー「経営アドバイザリー」を研究|研究領域=経営の判断に理論の裏付け/強み=分析手法を企業ごとに選ぶ/将来性=理論で判断する経営者を増やす

企業紹介|RJ’sリサーチ・アンド・アドバイザリーとは?

経営者や社員の判断に、経営学の理論による裏付けを与える助言業務「経営アドバイザリー」。合同会社RJ’sリサーチ・アンド・アドバイザリーは、その実践を進める、新潟大学発の経営支援企業です。依頼企業の状況に合わせて理論と分析手法を選び、経営戦略やマーケティングなどに関する助言と調査を提供しています。

キーワード「経営アドバイザリー」

経営アドバイザリーは、経営者や社員の思考と意思決定に、理論や概念による裏付けを与える助言業務です。同社代表の伊藤龍史氏は、コンサルティング事業の流れのなかで最も上流に位置する業務と位置づけています。依頼企業ごとに、適した理論や分析手法を探して応用する点が特徴です。

市場課題|経営学の理論を現場に生かしにくい企業

現状の経営支援の課題|現状は、普遍化した理論と定型の助言で企業に合いにくい/理論が実務に当てはまりにくい/助言が定型の枠組みに寄りやすい

理論が実務に当てはまりにくい

経営学の理論は、普遍化を目指して作られるため、企業の状況にはそのまま当てはまりにくいといわれています。伊藤氏によると、社会科学では条件しだいで理論が通用しない場面が多く、実務では状況への対処が求められます。このままでは、理論が生かされず、学問と実務の距離が開いたままになりやすい点が課題です。

助言が定型の枠組みに寄りやすい

コンサルティング会社の助言は、時間やスキルの要因で体系化されたフレームワークに当てはめる形が多いと伊藤氏は指摘しています。企業の事情に合わせるには、理論の一部を作り替えたり一から構築したりする必要があります。このままでは、実務面の提案が中心となり、理論の下支えが限られる点が課題です。

他にも、新潟の中小企業のマーケティングと戦略の弱さ、サービス全般の再現性の保ちにくさ、新サービスの浸透の難しさ、といった課題があるといわれています。

FrontJournalの解説
  • フレームワーク物事を分析し判断するために、あらかじめ体系化された型や枠組みを指す。経営の分野では、事業環境や自社の強みを整理する際に用いられる。

RJ’sリサーチ・アンド・アドバイザリーの強み|「経営アドバイザリー」を研究

RJ’sリサーチ・アンド・アドバイザリーが「経営アドバイザリー」を研究|現在は、助言と調査で経営判断の支援を提供/理論と分析手法を依頼ごとに選定/経営者の思考を理論で捉え直す

理論と分析手法を依頼ごとに選定

体系化されたフレームワークを当てはめる助言では、企業ごとに理論や分析手法を選び直す作業まで進みにくい面があります。

同社は、依頼企業の文脈に合わせて、適切な理論や分析手法を探し出し、それらを応用した助言を提供しています。扱うテーマは、経営戦略、組織のマネジメント、アントレプレナーシップ(起業家的な精神と行動)、マーケティング戦略など複数にわたり、経営者や社員の思考と意思決定に理論と概念の裏付けを与えるものです。関連する調査・分析・評価の業務も、助言と並ぶ提供内容です。依頼する企業は、判断の根拠を理論で確かめながら、自社の戦略や組織を検討できます。

経営者の思考を理論で捉え直す

実務面の提案が中心の助言では、判断を支える理論的な下支えが手薄になりやすい面があります。

同社の伊藤氏は、経営者の話を聞くなかで、その考えが複数の理論や概念を組み合わせたものに近いと感じる場面がありました。理論の見立てを経営者に伝えたところ、「経営を考える際の道具立てができた」「自分の思考の確からしさやより検討すべき側面が見えてきた」と喜ばれたといいます。こうした経験を得られる経営者を増やしたいという考えが、アドバイザリーを事業とする発想の出発点です。経営者は、経験や勘で形づくった判断の筋道を理論の言葉で整理し、検討すべき点を見つける手がかりにできます。

FrontJournalの解説
  • アントレプレナーシップ新しい事業や価値を生み出そうとする起業家の姿勢と行動を指す概念である。経営学では、企業が革新を起こす過程を説明する枠組みとして研究されている。

経営アドバイザリーの未来|理論と実務をつなぐ経営支援の広がり

経営アドバイザリーが変える未来|理論で裏付ける経営判断を新潟から広げる/コンサルティング会社からの依頼/新潟の経営者に合う形へ改良/助言が浸透する文化を目指す

コンサルティング会社からの依頼

同社にはコンサルティング会社からの依頼があったと、伊藤氏は述べています。経営者向けの事業として着想していたため、この依頼は意外でした。伊藤氏は、実務面の提案が中心のコンサルティング会社が、理論による下支えを必要としていたと捉えています。同社の助言が、経営者に加えて助言を担う側の業務を支える形でも求められた一例です。

新潟の経営者に合う形へ改良

新潟の経営者に受け入れられる形へのサービスの改良が、2023年9月の取材の時点で同社の短期の課題でした。理論で考えを補強する朝のゼミを企画した際には、「いらない」「高い」「朝は忙しい」といった反応が返り、結果は振るいませんでした。伊藤氏は、相手に迎合するのでなく、サービス内容や提案の仕方を磨いて受け入れられる形を探し、再挑戦を重ねていると述べています。その形が整えば、経験知で経営してきた経営者にも、理論という道具立てを加えた判断の選択肢が届く可能性があります。

助言が浸透する文化を目指す

新潟に加えて福岡、東京、シリコンバレーに拠点を置くことが、同社の目標です。2023年9月の取材で伊藤氏は、生まれ育った福岡、学んだ東京、研究のきっかけを得たシリコンバレー、研究を続ける新潟の4か所に、恩返しをしたいと説明しました。各拠点でサービスを提供して雇用を生み出し、アドバイザリーが浸透する文化の形成を目指す構想です。実現すれば、理論による裏付けを得て経営を判断することが、各地域の経営者にとって身近な選択肢になる可能性があります。

会社概要|RJ’sリサーチ・アンド・アドバイザリーの事業内容・設立背景

新潟大学の准教授が設立

同社は2023年1月に、新潟大学経済科学部の准教授である伊藤龍史氏が代表として設立しました。伊藤氏は、研究成果の社会実装が進むなかで、文系の大学発ベンチャーは理系に比べて事例が少なかったため、自ら立ち上げて立ち上げ方の体系化につなげたいと考え、挑戦したと述べています。専門は、アントレプレナーシップ論、経営戦略論、マーケティング論を横断する経営学で、海外へ業務を移す「オフショアリング」の研究から、顧客側のアントレプレナーシップの研究へ進みました。

採択・連携

同社は、新潟大学の大学発ベンチャー称号認定制度で、2023年4月17日に7番目の認定企業となりました。認定期間は2029年4月16日までです。伊藤氏は、2018年と2020年に国際学会ASBBS(American Society of Business and Behavioral Sciences)で最優秀論文賞を受け、2020年に新潟大学学長賞(若手教員研究奨励)を受けました。2022年の新潟ベンチャーアワードでは、伊藤研究室のアントレプレナーシップ教育活動が「アシスト賞」と「オーディエンス賞」に選ばれています。

助言・講演・調査が事業の柱

事業の中心は、経営者や社員の思考と意思決定に理論と概念の裏付けを与えるアドバイザリー・講演・研修と、関連する調査・分析・評価の業務です。テーマには、経営戦略、組織のマネジメント、スタートアップエコシステムの構築、価値共創とサービスイノベーション、マーケティング戦略などが挙がります。知識集約型ビジネスサービス(専門知識を中心に提供する事業者向けサービス)の創出支援にも取り組みます。

会社情報

会社名合同会社RJ’sリサーチ・アンド・アドバイザリー(読み:アールジェイズリサーチアンドアドバイザリー)
所在地新潟県新潟市西区五十嵐2の町8050番地 新潟大学「NOT THE UNIVERSITY」内
設立2023年1月
代表伊藤龍史(新潟大学経済科学部准教授)
事業経営者や社員の思考と意思決定に対する理論的・概念的な基礎付けを通じたアドバイザリー・講演・研修、経営戦略などのテーマに関連する調査・分析・評価、知識集約型ビジネスサービスの創出支援
技術領域経営学の理論と分析手法による経営の意思決定支援(経営戦略、アントレプレナーシップ、マーケティング戦略など)
連携新潟大学(大学発ベンチャー称号認定・2023年4月17日〜2029年4月16日)
URLhttps://www.ircp.niigata-u.ac.jp/collaboration/venture/detail_rjs/

編集後記|FrontJournal編集部より

RJ’sリサーチ・アンド・アドバイザリーは、経営学の研究者が自ら会社を興し、理論を企業の意思決定に届ける役割を担っています。理論を現場に合わせて組み替える必要性は、伊藤氏が説明するところです。その作業を研究者が自社の事業として担う点が、同社の特徴といえます。

経営者の考えを理論の言葉で整理して返すという助言は、実践を重ねて受け入れられる形を探す途上です。サービス内容や提案の仕方を磨いて再挑戦を重ねる伊藤氏の姿勢は、新潟の経営者に合う形への改良という短期の課題に表れています。理論による裏付けを得た経営判断がどこまで広がるのか、今後の展開に注目していきます。

FrontJournal編集部

出典:「Gビズインフォ」(経済産業省)(2026年10月3日に利用)を加工して作成

本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。

この企業の方へ

内容に誤り・更新が必要な点があれば、可能な限り速やかに修正します。お気づきの点はお問い合わせまでご連絡ください。

掲載情報の修正・写真の追加・更新はこちら

この企業について、
もっと深く知りたい方へ

パートナーシップ・お問い合わせはこちらから。